幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

絵馬掛け場の景色が変わる頃?

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今年は参拝客の姿が疎らになった頃、初詣へ。

お正月の雰囲気が残っているか気になったけれど、厳かな雰囲気に混じった、年が明けて間もないそれも十分に感じられ、今年も良き日々を重ねたいと思いながら手水舎で身を清めた。

砂利が敷き詰められた参道を歩くときに聞こえる砂利が擦れ合う音は、妙に心地よくて、街中にある神社だというのに大自然の山奥に居るような感覚を覚えた。

音にはマスキング効果というものがあると言われている。

本来ならば聞こえているはずに音が、他の音に邪魔されて聞こえにくくなったり、気にならなくなったりする現象のことである。

例えば、カフェなどで友人と話をしているとき。

BGMが流れていない店内の場合は、隣の席の方の会話や、声が通る方の会話などが自然と耳に入ってくるけれど、

小さい音量でもBGMが流れている店内や、キッチンの作業音が漏れ聞こえるような店内の場合は、周りの方の会話が耳に入ってこないということがある。

これも、マスキング効果と呼ばれる状態である。

他にも、テレビを点けているときには気にならなかった時計の秒針音や外からの雑音が、テレビを消した途端に気になったりするのもこれ。

しかし中には、聞きたくないような内容の会話が聞くつもりもないのに聞こえてくるということもある。

これには、音の周波数が関係しているそうで、様々なことが重なりマスキング効果をすり抜けて人の耳に届く音や声というものもあるようだ。

この日の街中は自動車の往来も多く、神社内にそれらの騒音が届いてもおかしくないような状態だったけれど、聞こえてくるのは心地よい風の音に砂利が擦れ合う音。

参拝客の賑やかな声が飛び交う年明けもいいけれど、静かな初詣も風情を感じられて良いと思った。

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無事に初詣を終え、清々しい気持ちで破魔矢をいただくべく社務所へ向かっていると、真新しい絵馬で埋め尽くされた絵馬掛け場に目が留まった。

多くの方の願いによるものか、絵馬の真新しさによるものか、なかなかの存在感である。

絵馬と言えば、絵馬に記された内容のプライバシーは、どのようにして守れば良いのかという話題を時折、見聞きすることがある。

他人の願い事を覗き見しようという方は少ないと思うけれど、覗き見しようと思っていなくても目に入ってしまうことはあるように思う。

この辺りのことに関しては、人々のモラルを信じる以外ないのではないだろうかと思っていたのだけれど、最近“ふくろ絵馬”というものを登場させた神社があると耳にした。

“ふくろ絵馬”とは、絵馬に願い事を書き、この絵馬を赤や黄色、緑や青といったカラフルな巾着袋に入れて口をキュッと閉じ、巾着ごと絵馬掛け場に吊るし掛けるというシステムの絵馬だそうだ。

こうすることで絵馬に書いた内容が人目に触れることを防ぐことができ、カラフルな布で作られた巾着袋が吊り下げられている光景には着物にも似た華やかさがあるため、神社の景観を損ねることもないと評判なのだとか。

私は“ふくろ絵馬”というものを目にしたことはないのだけれど、そのような絵馬に出会う機会があれば、久しぶりに書いてみたいような気がした。

神社にある絵馬掛け場の景色の変化を思いつつ、絵馬が取り付けられた破魔矢をいただいて神社を後にした今年の初詣である。

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