幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

チョコレートとラクダと小さな楽しみと。

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あっという間に、バレンタインチョコレートの話題が飛び交う時季である。

話題のメインは誰に贈るかではなく、どこのチョコレートが美味しいか、どのショコラティエのチョコレートが気になるかといったところ。

バレンタインの在り方も、この時季のチョコレートの在り方も随分と変わったけれど、浮世の義理から行き交うチョコレートであっても、そこに少しでも、選ぶ楽しみや贈る楽しみ、いただく楽しみや口にする楽しみが含まれているといいのだけれど、と思う。

この時季は、異国の珍しいチョコレートを手にすることができる機会でもある。

時折、そのようなチョコレートに好奇心から手を伸ばすことがあるのだけれど、何年も印象に残り続けるチョコレートは、そう多くはない。

私にとって印象に残り続けているチョコレートは、随分と前に口にした、ラクダのミルクを使ったドバイの「アルナマス」のもの。

ラクダのミルクを使用しているため、口にし慣れているチョコレートと比較するとクセとも取れるような個性はあるのだけれど、味わい深い濃さと甘さの奥に感じる、ちょっとした塩気が心地よく、エキゾチックでクセになるチョコレートだったと記憶している。

味だけなく、ラクダのミルクにはビタミンやミネラルが豊富で牛乳の半分ほどの脂肪分ということで、美容と健康にも良いという話があったり、

甘さが異なるシンプルなチョコレート以外にも、ナッツやドライフルーツ、スパイスなどをアクセントに使ったものもあったりと、新しい経験にドキドキしたようにも思う。

アルナマスのチョコレートをもう一度、口にしてみたいと思いつつも、ご縁はあれっきり無いままなのだけれど、今は偶然の巡り合わせを楽しみにしているところである。

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そう言えば、イソップ物語だったと思うのだけれど、牛の角を眺めていたラクダが、神様のところへ出向き、自分にも牛のような角を付けて欲しいと願い出た童話があった。

神様はラクダの願いを聞いて「君には強い力と大きな体があるというのに、まだ何か欲しいの言うのか?」と返し、ラクダが持っていた長い耳の一部分を切り落として短い耳にしたのだとか。

「自分は持っていないと思っていても既に何かを持っているということに気付いて」「自分の良いところや自分が置かれている幸せな状況をもう一度見てみたら」「欲張りすぎると、既に持っているものまで無くしてしまうよ」といったことを伝えている話でもある。

ある程度のものは、何でも簡単に手に入る世の中だから、ほんの少しアグレッシブに動きさえすれば手に入れることができるとは思うのだけれど、「いつの日か」と、偶然を楽しみに待っているものを胸の内にいくつか忍ばせておくのも悪くない。

そのようなことを思いながらチョコレートカタログを捲るお昼どきである。

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