急な冷え込みのせいなのか、布団から少し出しておいた足先が体を冷やしてしまったからなのか、珍しく早朝と言える時間に目が覚めた。
ベッドかから抜け出した後は、いつもの癖でリビングのブラインドを勢いよく開けたけれど、そこに広がっていた景色は「夜」そのものだった。
太陽よりも先に起きてしまったと思いながら再度ブラインドを閉め直したものの、せっかく早起きをしたのだから日の出を見ようと思い、外の様子が分かるように少しだけ、薄目を開けるくらいの塩梅でブラインドを開けておくことにした。
部屋が温まるのが先か、再び眠ってしまうのが先か。
ソファーで丸まって考えてみたけれど、このままでは答えが出る前に眠ってしまいそうだと見切りをつけ、キッチンで月桂樹の葉とシナモンを入れたスパイス白湯を淹れることにした。
湯気とスパイスの香りを感じながら白湯を流し込むと、喉の奥から温かいそれがすーっと体の中心を落ちていく感覚があった。
やはり体の芯から冷えてしまったのだと、足先を出しておいたことを反省していると、薄目を開けているブラインドから柔らかい空の色がみえた。
遠くの空から濃いオレンジ色の太陽がやってくる。
夕暮れどきの沈みゆく太陽のような。
エネルギッシュなオレンジ色に染まる空の迫力は、そんなことを思わせるようなものだった。
太陽の頭が見えはじめた後は、日常の景色が広がるまであっという間である。
外へ出ると、姿は見えないけれどスズメの賑やかな鳴き声がした。
何かで読んだことがある。
この時季のスズメがたくさんで鳴いている時というのは、気温が、雪が降ってもおかしくないくらい急激に下がる前なのだとか。
というのも、スズメが鳴いているときの多くは、お腹が空いているときだそうで、気候の変化を本能で察知した彼らが、いつもよりも多くの栄養をとっておかなくてはいけないと話しているという。
実際に観察をしてみたわけではないから真意のほどは分からないのだけれど、調べてみると、「冬にスズメが群がり鳴く時は雪」というお天気のことわざがあった。
例え雪が降らなかったとしても、それくらいにまで冷え込むらしいというくらいに捉えておけば、ネットやテレビの天気予報を確認せずとも、ある程度のことは予測できるのかもしれない。
今年は暖冬だと言われている。
先日は、季節外れに咲いてしまった向日葵を見かけたのだけれど、2日ほど前は、本来であれば3月頃に花を咲かせる水仙が咲いていた。
冬の寒さをそれなりに感じてはいるけれど、やはり今年は温かいということなのだろう。
植物たちも咲いてみたはいいけれど、「え?何かが違う。」と戸惑ったりしているのだろうか。
いや、そう思うのは人間が思うところであって、植物たちは、我が人生に一片の悔いなしと思っているだろうか。
日々は、私が思うより色濃くてドラマティックだ。
そのようなことを思わせた1日の始まりである。
本日も、ここへ足を運んでくださった皆さんに良き風が吹きますように☆彡
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