幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

ほうれん草がレモンに出会ったら。

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子どもの頃の記憶というものは不思議なもので、何気ない出来事であるにも関わらず鮮明に記憶している。

自分でも、どうしてこの記憶が残っているのだろうかと思うことが度々あるけれど、その答えに辿り着くことができたのは数えるほどしかない。

いや、その答えというのも推測の域を出ておらず、本当のところを確かめる術はない。

子どもの頃、祖母の家へ遊びに行き昼食か夕食かを作る祖母の横で、調理の様子を眺めていたところ、祖母は、お湯がグラグラと沸騰し始めたお鍋の中にレモンをギューッと絞り入れた。

そして手際よく大量のほうれん草を投入し茹でたのである。

幼かったけれど、「茹でる時にはお塩を入れる」くらいの知識はあったようで、どうしてレモン汁を入れるのか尋ねたことがあった。

返ってきた答えは、その方がシャキシャキと仕上がるから、レモンがあるときにはレモンを絞るというようなものだった。

私のどうして?はそこでとどまらず、どうしてシャキシャキと仕上がるのかと、多分尋ねたように思う。

その答えのシーンは覚えておらず、答えがあったのかどうかも怪しい記憶なのだけれど、今の私はほうれん草を茹でる際に、お鍋の中にレモン汁を入れている。

ただ、私の場合は、フレッシュなレモンを使うのではなく、ボトル入りのレモン果汁を沸騰したお湯の中にトポッと少量注ぎ入れているのだけれど。

この時、塩を使うメリットのようなものが感じられないので、ここは潔く塩分カットである。

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このようにして茹でたほうれん草は、目を惹くグリーンカラーに茹で上がるだけでなく、水っぽさとは無縁の、シャキシャキとした食感に仕上がるのでお気に入りである。

長年そうしてきたけれど、どうしてレモン果汁を使うとそのように仕上がるのか知らぬまま過ごしていたところ、先日、偶然にも料理研究家の方が同じ方法でほうれん草を茹でているという記事を目にする機会があった。

その方のお話によると、お湯の中に入れたレモンに含まれているペクチンが、ほうれん草のカルシウムとくっつくと、ほうれん草の細胞を覆っている膜がキュッと引き締まって強くなるため、ほうれん草がシャキシャキとした食感に変わるのだとか。

フライパンや雪平鍋を使う場合、レモンの使用量はコーヒースプーン1、2杯ほどで十分なのだけれど、多めに入れてしまったとしてもレモンの酸味や味がほうれん草に移ることはないので、この辺りの分量はお好みを探していただくのが良いように思う。

ご興味ありました折には、使いきれずに残っているレモンやレモン果汁でお試ししいてみてはいかがでしょう。

本日も肩の力を抜いて、口角上げてまいりましょ。

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