こころ
窓を開け放った時に外から流れ込む風の匂いに春の匂いが混ざりはじめた。 春の匂いなんて曖昧な表現だけれども 昨日までとは違う柔らかさを含んだ空気を 私の本能は春の匂いだと察知するのだろう。 その日は、寒さも和らいでいたため温かい飲み物と厚手のひ…
あのお店のスコーンを食べたい。 久しぶりに食べたいぞ、あのスコーン……。 胸の奥底から湧いた想いは、そう簡単には消えるものではないらしく 私はカフェの一角で手帳を開くとスケジュールを確認し始めた。 傍から見れば仕事の確認でもしているように見える…
あ、駄菓子屋さんだ。 子どもの頃に利用した経験は少ないのだけれども、 ワクワクするあの雰囲気に吸い寄せられるようにして、つい足を踏み入れてしまうのだ。 大人になって、そこそこ美味しいものも知っているけれど、あの未完成の味に手を伸ばす瞬間。 大…
私は今シーズン、いつも以上にマゼンタカラー(マジェンタとも)に惹かれているようで、 気が付けば昨年からリビングに飾っているお花は全てマゼンタカラーのものばかり。 昨年のクリスマス前に連れ帰ったガーベラは一緒に年を越し、 未だにダイニングテーブル…
その日、何の話題からそこへ辿り着いたのかもう誰も思い出せなかったのだけれども 世の中に出ている様々な知能指数テストの話になったのです。 人は自分のことを「あなたはこういう人です」「あなたにはこういう所があります」などと 診断してもらうことが好…
スマートフォンからピコーンとメッセージ受信のお知らせが届く。 画面をタップすると、 「ジューサーとミキサーのどちらかを買おうかと思っているんだけど、どっちの方が使える?」とのメッセージ。 これを尋ねられるのも幾度目のことだろうか。 どちらの方…
先日、ある方々と今年を振り返るような話をしていたのですけれど、 話は姿形を自由自在に変えていき、 いつの間にか某アイドルグループの解散に見るあれや、これやの話になったのです。 幕引きのタイミングや幕の引き方に対して思うところも人それぞれである…
丁寧に暮らす、と言っても、その暮らし方は人の数だけ存在しますよね。 ある方にとっては規則正しい暮らしが、 またある方にとっては、一つ一つをしっかりと感じて味わう暮らしが、 という具合に丁寧な暮らしのスタイルも様々です。 皆さんにとっての丁寧な…
とうとう数年愛用していたジューサーの買い替え時が来たようだ。 毎朝、人参とりんごをジューサーにかけたものにレモン果汁をプラスして飲んでいる。 かれこれ7、8年程続けていただろうか。 3代目のジューサーは徐々に音が大きくなり、野菜やフルーツの繊…
私の指先がパソコンのキーボードを温め始めた。 視界に入る開きっぱなしの手帳と ToDoリスト代わりに使っている大き目のカレンダーをそっと伏せて 背中の天使の羽とやらをグリグリと回しながらストレッチをする。 しかし、頭も指先もこの程度の気分転換…
季節柄ですね。 温かい飲み物が欲しくなり、 お抹茶を点てるときに使う茶道具の茶筅を出し、お抹茶ミルクを点ててみたのです。 平安、室町時代に茶の湯に触れていた先人たちは、 まさか未来ではミルクやココアなるものを茶筅でシャカシャカするとは思いもし…
気候の変化だろうか、 はたまた私の体温調節機能の低下が原因だろうか。 年々、冷房期間と暖房期間の狭間が短くなってきているような気がしている。 我が家はほぼ一年中、日中夜を通してエアコンがフル稼働している。 こんなにも酷使していたらエアコン寿命…
私は換気が大好きなのです。 換気が大好きと言うのも自分で言っておきながら妙な表現だとは思うのですが、 今はこのストレートな表現しか持ち合わせていないのでございます。 朝起きて窓をぱーっと開け放つと、フレッシュ感のある空気が部屋の中へ入ってきま…
幸せのレシピ集の中では色に関するお話も様々な視点からさせていただいております。 先日は、古の中国では季節を色で分けており、 季節を表すそれらの色から誕生した言葉、 青春、朱夏、白秋、玄冬にちらりと触れさせていただきました。 春は新緑を連想させ…
皆さんはお食事のあと、すぐに動くことができるタイプですか? 私、これが少々苦手ですの。 すぐ動くと決まって横っ腹がチクリチクリと痛み始めるので、その日も夕食を終え、ひと息ついた後に洗い物をするためにシンク前に立ったのです。 そして、ご飯茶碗を…
雨のにおいとアスファルトのにおいが入り混じった雨上がり日、 初めて通る道を歩いていると力強い金木犀の香りがして足を止めた。 辺りを見回してもその姿は確認できず、 呼び止められたかのようにも感じられた力強い金木犀の香りもパッと姿を消してしまった…
最近購入したオーガニックルイボスティーの茶葉が想像以上に美味しく、 温かいものを飲みたいと思った時に、真っ先に手に取っているような気がしている。 その日もティーパックで出した鮮やかな茶褐色のルイボスティーを 大きなマグカップで楽しんでいた。 …
最近はまっていることがあるのだと、友人が楽しそうに話してくれた。 その中身に関しては、聞いてはみたものの、質問もしてみたものの、 私にはあまりよく分からない世界だったけれど、 楽しそうに話す友人が可愛くて、素敵で、何だかいい時間だな、と思って…
ここ1週間程、私の周りに度々登場した「飽きっぽい」という言葉。 皆さんは、この「飽きっぽい」という言葉にどのようなイメージを抱かれるでしょう。 良いイメージでしょうか? それとも、良くはないイメージでしょうか? もちろん、使うシチュエーション…
ひと仕事を終え、開放的な気分で家を出た。昼間ほどの暑さではないとはいえ、アスファルトを踏みしめて歩くとすぐにジワッと額に汗が滲む。夕暮れ時の空を泳ぐようにして飛んでいるトンボの群れを目にして、季節の変わり目を目の当たりにした。 待ち合わせの…
友人とSNSを通してお喋りをしていたときのこと。 少しの沈黙の後に、彼女がこんなことを漏らしたのです。 人に対して嫉妬したり、羨ましいと思ってしまうのだと。 彼女はさらに続けます。 表には出さなくても、それぞれ何かしら抱えているのだろうという…
少し休憩でもしようかしら。 ブルーライトをカットするPC専用の眼鏡を外してぐぐーっと背伸びした。 硬くなった天使の羽を簡単に解し、 シパシパする目に復活の水と勝手に名付けている目薬を点して スマートフォン片手にリビングへと向かった。 向かう途中…
今週、何度か耳に入ってきたフレーズがある。 「もう、そういう年齢でもないから」や 「もう若くはないから、そういうものは分からない、覚えられない」というもの。 そのフレーズに含まれている無意識下の様々な思いを分からなくはないものの、 正直なとこ…
げほげほげほっ。 またやってしまった。 何の前触れもなく咳き込む私に「何が起きたの!?」というような視線が集まった。 家族は慣れたもので「いつもの?」と声をかけてくる。 「げほげほ」が「けほけほ」に和らぎコクンコクンと頷く私に、 「おばあちゃん…
皆さんは日々の暮らしの中で気にしているジンクスをお持ちでしょうか? もしくはゲン担ぎをされていますでしょうか? 先日、そのような事が話題に上がったのですが、 ジンクスとゲン担ぎは似たようなものかしら?という疑問が浮上しました。 私自身は、この…
しばらく、家の中に缶詰の日々が続いていた。 したいことをしているはずなのに何かに圧迫されているように感じる日々。 その「何か」に薄々気付きかけていたけれど、 とりあえず、その時はそれに蓋をしてみたりして。 どこかのタイミングで自分自身を軌道修…
最近お気に入りの果汁濃度の高いフルーツゼリーを口へ運んだ。 とぅるんっと口の中に滑り込むゼリーの 固すぎず柔らかすぎずの食感に思わず目を閉じた。 この日食べたのは、みかんの房がギッシリと入ったゼリーだったのだけれども、 ひと房、ひと房、しっか…
突然ですが、大人にも子どもにもある「レミニセンス現象」をご存知でしょうか? どのような現象のことなのかと言いますと、 皆さんは、つい最近まで出来なかったことが、ある日突然出来るようになっていたり、 訳が分からなくなるほどに悩んでいたことが、 …
人と上手に会話をする人を見ると、すごいなと感心する。 私はプライベートなシチュエーションでは、 話すことよりも聴くことの方が得意で、聴くことが好きなタイプだ。 相手が話すことが苦手なタイプのようであれば、 私の方から話題の種まきをして、 お互い…
ここ数日、断捨離、ミニマリズム、ミニマリストという言葉を頻繁に目にしました。 自分にとって本当に必要な最小限のものだけを持ち、 身も心もシンプルに生きる、 そのような生き方をしている人という意味で使われている言葉たち。 空間に余裕が出来ると不…