幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

日本のこころ

艶やかな赤を楽しみながら難を転じて福となす。

お店の前に置かれていた寄せ植えの鉢に視線を落とすと、南天の実が真っ赤に色づいていた。 赤く染まっていく南天を目にする度に、すぐそこまで来ている本格的な冬の気配を感じるのも毎年のことだ。 南天は、5月から6月ごろに可愛らしい白い花を咲かせた後…

鮑と片思いと。

書棚を整理していて思うことがある。 どうして私は同じ本を何冊も所持しているのだろうか、と。 厳密に言うと全く同じ本というわけではなく、 例えば万葉集や古事記といった本が4、5冊ずつあったりするのだ。 翻訳している方が違っていたり、挿絵の雰囲気…

進化しているお守り、ポップでキュートなOMAMOとは。

可愛いでしょ。 そう言って送られてきた画像に写っていたのは、 ポップでキュートな色合いの古典柄が組み合わされた可愛らしいお守り。 初めは匂い袋かなにかかと思った。 だけれども、それがお守りだと知り、お守りも進化していることを知った。 進化は、お…

花札が繋ぐ秋の景色。

引き出しの中を片付けていたら花札が出てきた。 確か安土桃山時代辺りにポルトガルから伝わったカードゲームが 時代を経る中でアレンジされ、日本のカードゲームのカード、花札として定着したものだ。 十二種の季節の花を書いた札が4枚ずつあり、48枚でワ…

今月の和風月名「長月」から見る、とある恋の世界。

毎月、和風月名に触れさせていただいているのですが、 あっという間に9回目の9月を迎えました。 人は、同じ時間を過ごしているようでいて、 その感じ方や受け止め方は人それぞれでございます。 今月も健やかに、しなやかに、時を重ねられたなら。と思う今…

レディーに楽しむ重陽の節句。

今年もまた9月9日の重陽の節句(菊の節句)が近づいてきましたね。 五節句のトリを務める重陽(ちょうよう)の節句は、 古の頃のような盛り上がりはありませんが、 大人が粋に楽しむことができる節句のように感じます。 重陽の節句を含む5つの節句のお話は、…

夕焼け空の下に在る景色と、それぞれの想いと。

私の好きなもののひとつに、季節の狭間に見る夕焼けがある。 それは、同じ海でも日本海側と太平洋側では海の表情が異なることにも少しだけ似ており、 過行く季節の夕焼けと、これから訪れる季節の夕焼けが混ざり合った、 狭間の表情をしているのだ。 この時…

喧嘩のお作法に思いを馳せた日。

電車のホームで、ご年配の男性が不機嫌そうな面持ちで立っていた。 その周りには、男性の顔色を伺う、少し若い、といっても ある程度の年を重ねた男性陣がご年配の男性を取り囲むようにして立っていた。 彼らの周りだけ、明らかに異なる空気が漂っており、 …

ところてんをお箸一本で!?

甘味処の前を通り過ぎ、今年の夏は「ところてん」を口にしていないことに気が付いた。 華美な装いのSNS映えするスイーツに注目が集まりやすい昨今だけれども、 ツルツルッと口の中に入り込み、 体の中をほんの少しだけ涼やかにしてくれる「ところてん」。…

今更聞けないオトナのために|「晩夏」と言えるのは、いつからいつまでなのかしら?

お盆を過ぎた辺りから見聞きする「晩夏」、「晩夏の候」という言葉。 読んで字のごとく夏の終わりの頃を表しているのですが、 いつからいつまで使うことが出来る言葉なのか、 大人のたしなみとして、この機会にサラリとおさらいしておきませんか。 今回、ど…

ナポリタンで文明開化の切れ端に触れてみる? 

古い石造りの洋館を改装した洋食店の前を通りすぎた。 お店の存在は随分と前から知っていたのだけれど、通りすぎるだけのお店だった。 その日も、いつも通り、お店の前を通り過ぎようとしていた。 すると、お店の扉が開き中から満足気な表情の女性たちが出て…

埴輪を模したクッキーを眺めながら思ふこと。

埴輪好きの友人がおりまして、何がどうなって埴輪好きになったのかと何度か尋ねてみたのです。 本人曰く、「答えらしい答えは無いけれど、 ゆるキャラにハマる方と似たような感覚なのではないかしら」とのこと。 私は、埴輪に対して特別な思い入れはないもの…

そうめん流しと、流しそうめんの違いは何かしら?

急なお誘いで出かけた日のこと。 オレンジ混じりのピンク色をした夕焼けが西の空に広がっておりました。 その桃のコンポートのような優しい色をした夕焼けは、 私に夏を感じさせてくれました。 今年も、あっという間に過ぎ去っていくのであろう夏の風景を で…

獅子舞と忘れているのかもしれない遠い日の記憶。

今年も夏祭りや花火大会の情報が目に、耳に入ってくる時季になった。 今年は何回、浴衣に袖を通すことができるだろうか、 と思いながら浴衣や帯などに、ひと通り目を通した。 陽も沈みかけた頃、外の空気を吸いたくなり自宅を出た。 オレンジ色を帯びたピン…

ちょっと怖い「いちまさん」にフリーズさせられた日。

何だろう、この居心地の悪さは。 電車に揺られながら、通路を挟んで向かい側の席からこちらを見ている彼女の姿に 久しぶりに背筋にひんやりとしたものを感じた。 その「彼女」というのは、 向かい側の席に座っている男性が着ているTシャツにプリントされて…

最後に福袋を純粋に楽しんだのは、いつだったかしら。

季節柄でしょうね、外国人観光客の姿をよく目にします。 先日の出来事なのですが、 デパートの一角に居合わせた外国人観光客の女性たちからは、 潔いほどの「私たち、サマーバケーション中よ」というオーラが全身から放たれており、 私の目には、その光景が…

日本のおもてなしとサラリーマン。

飲食店に入ると、お水と一緒に差し出されるおしぼり。 この季節は、手を拭うだけでも気分がサッパリするのでありがたい。 珍しく自宅近くのカフェで、この原稿をしたためているのだけれど、 少し離れた席に着いた男性方が、お顔を一斉におしぼりでワシャワシ…

湯のみには取っ手が無いけれど、どうしてかしら?

デザートと一緒に出していただいた日本茶。 あの爽やかな色と湯気に溶け込むほろ苦さを含んだ茶葉の香りに 心身がゆるゆると解きほぐされていくような感覚になった。 ゴクリとひとくち口に含めば、冷房で程よく冷えた体に、 じんわりと染み入る温かさが心地…

お箸置きの誕生秘話が呼ぶ謎。

あまり増やさないように気を付けているものの中に、「お箸置き」がある。 我が家では、毎日使うアイテムで、季節やお料理、 その日の気分やお客様の年齢などによっても使い分けるため、たくさんあっても困りはしない。 だけれども、食事の回数は、どんなに多…

夏の優しい香りのまとい方。

先日、営業でいらした方から名刺をいただいた。 名刺を差し出されたとき、 今にも消え入りそうなほど控えめだったけれど、優しい香りがふわりと鼻をくすぐった。 内容そっちのけで申し訳なかったかしらと後で思ったけれど、 その、ほんの一瞬だけの香りがあ…

5円硬貨から見ることができる「世界」と「想い」と「今」。

最近、5円玉に関する記事をよく目にします。 どのような内容なのかと言いますと、 現在日本で使用されている貨幣で“アラビア数字を使用していないものは5円玉だけ”。 そして、漢数字の知識がない外国人観光客にとって5円玉は、 “見ただけでは、どれ程の価…

夏のご挨拶に大和言葉を添えてみませんか。

数日前に郵便局員の方が配達物を持ってきてくださった。 その時に、ご紹介だけさせてくださいと言って手渡された1枚は、 暑中・残暑見舞いはがき、かもめ~るのお知らせでした。 新年のご挨拶をしてから、そう時は経っていないような気もするのだけれど、 …

鬼灯と共に感じる季節の移り変わり、いかがでしょうか。

偶然通りかかったお宅の前に立派な鬼灯の鉢植えが出してあった。 水をあげてから、そう時間は経っていないのだろう。 青い鬼灯からは水が滴っており、その一角だけがやけに涼やかに見えた。 夏の日差しに映える力強いオレンジ色の鬼灯は、昼間だけではなく夏…

時の記念日に思ふこと。

本日、6月10日は時の記念日なのだそう。 そのような記念日があることは、頭の片隅にありはしたものの、 日常生活を送る中で、「今月は時の記念日がある」、「明日は時の記念日だ」、 などと思ったことはなかった。 先日、街中にある年季が入った店構えの…

大相撲の「大」には何か意味があるのかしら?

テレビを点けると、あちらの局も、こちらの局も、 この時間も、あの時間もと、大関に昇進した高安関のニュースで賑わっておりました。 わたくし、子どもの頃から 「相撲よりも力士よりも行司さんを観ている方が楽しい」 「力士よりも行司さんのことを知りた…

たまには、季節の節目を感じられる言葉に触れてみるのも乙なものでございます。|小満編

立夏を過ぎると、さすがに夏めいてくるものですね。 わたくしはライフスタイルが不規則なので、自分だけの時間軸で過ごしていると、うっかり季節を感じそびれてしまうことも。 それは、とてももったいない、と感じているものですから、季節を感じられる言葉…

郵便局で過ごした待ち時間。

郵便局へ行った。 何か販促キャンペーン中なのか普段よりも混雑していた。 来る時間帯を間違えたかな……と 少し悔やみながら順番待ちの紙切れを手に座席に腰かけた。 ただ、ぽけーっと待っているのも良いけれど、 普段よりも少しだけ背筋を伸ばしてお腹の奥底…

「約束」の取り扱いには十分ご注意くださいませ。 

古い映画のワンシーンに、子どもたちが指切りげんまんをしている画があった。 「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲まーす、指切った」というあれだ。 子どもたちの無邪気な声に紛れるようにして解き放たれる歌詞の内容は、 少しだけ私の背筋を冷たくする。…

小粋なメッセージは「おまけ」を通してやってくる!?

その日は、吹く風が心地よく、太陽の光も柔らかで、 身も心もどことなく軽やかな気がした。 普段よりも少しだけ軽やかな服装で玄関を押し開けた。 葉桜の緑も数日前に見た時よりも力強い色に変わっていて、 次にくる季節は夏なのだと教えられた。 こんな日は…

端午の節句には菖蒲湯と菖蒲はちまきをセットでいかがかしら?

端午の節句、こどもの日には菖蒲湯に入る風習がありますが、皆さんのご自宅では菖蒲の準備はお済みでしょうか。 今回のお話コードは「菖蒲」でございます。 お時間ありましたら、そっと覗いていって下さいませ。 端午の節句は別名、菖蒲の節句と言われること…