幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

読書気分で要点だけをつまみ食い

何故、虎柄のパンツを穿いている!? 

商店街の入り口に立つと、アーケード内が大勢の人たちで賑わっていた。 冷静に見れば、普段と大差ないようにも見える光景なのだけれど、時節柄だろう。 年の瀬が着々と近づいていることを否応なしに突き付けられたような気がした。 この日は、少しばかり現実…

ハッピーバースデーと冒険心と。

数週間ほど前のことである。 久しぶりに立ち寄った書店内を見回っていると、「11月30日は小説家、マークトゥエインの誕生日です」と書かれたポップが視界に入った。 マークトゥエイン……知っているけれど何を書いた方だったかしら?と、記憶ボックスの中…

メネフネが集めた虹の材料。

空にとても大きくて太い虹が架かっていた。 今年は虹を目にする機会が多くて密かに喜んでいたのだけれど、今年目にしたどの虹よりも立派なそれに、私のテンションはぐぐっと上がった。 急いで鞄の中からスマートフォンを取り出して人目もはばからずシャッタ…

ファントムの生みの親は元ジャーナリスト。

カテゴリーを問わず、専門店と呼ばれる独特な雰囲気を持つ空間は、好奇心と緊張感を程よく刺激してくれる面白い場所である。 今の私にとって縁遠い存在になってしまった楽器店の前を通り過ぎながら、かつて足を運んでいた時の記憶と楽器店の匂いを手繰り寄せ…

又三郎様へ思いを馳せる夜。

台風が近づいていたときのことだ。 ぐっすりと眠っていた真夜中、顔を何かに照らされたような気がして目を開けた。 すると、完全に下ろしきれていなかったブラインドの隙間からピカピカッと光が差し込んだ。 雷だ。 ブラインドを、うっかり下ろし損ねてしま…

大人になった今だからこそ出来る「昔ばなし」の楽しみ方。

どこからかメロディアスな口笛が聞こえてきた。 しかも、外で暴れている強めの風の音と相まって、摩訶不思議な楽曲のように思えた。 しばらくの間、作業を行いながら聞いていたのだけれど、その口笛が割とすぐ傍から聞こえているように思い、席を立って音が…

真か偽りか分からぬままの景色が転写されている和歌。 

見上げた空にはウロコ雲が浮かんでいた。 いや、イワシ雲だろうか。 私はこの二つの見分け方が今一つ分からず、その時々の気分で呼んでいるけれど、このような雲が青空に広がり始めると、夏が完全に去ったことを感じ、やってきた秋に心踊らされるのである。 …

“もしもし”には、自分が何者であるのかを伝える意味も含まれているのかも!?

目の前を歩く男性が、移動時間を有効に使おうという算段なのか、慣れた雰囲気を放ちながら次々に電話をかけていた。 活舌の良い大きな声で、食事会か何かの日時を何度も繰り返していたものだから、いつの間にか全く関係がない私までもが、連絡内容を覚えてし…

バッハの暗号探しの跡。

書道絡みの資料を整理していると古い楽譜が数枚挟まっていた。 懐かしすぎて、もういつの頃のものかさえも分からない古びたそれを、一枚ずつ表裏を確認した。 色鉛筆で色々と書き込んであったので、当時の私が何を大切なことだと感じて、何を書き込んだのか…

消えた一の腕の行方を追って。

知人とくだらないメッセージのやり取りをしながら、米粉のパンケーキを焼いていたときのことである。 「これもくだらない話だけど、第一関節って指先から一番目の関節のことなのか、指の根元から数えて一番目の関節なのか、ふと迷うことがある。」とあった。…

稲妻のパートナーは誰?

急に、地面を叩きつけるような強い雨が降り出した。 その大きな音が気になってリビングの窓のそばへ行くと、いつも目にしている建物や植物の一切合切が真っ白なベールで覆い隠されていた。 ゴロゴロと鳴り始めた雷とヒューヒューと音を立てながら吹く風に耳…

キッチンでとっておきのピオニー選び。

キッチンでふと、明治座のカフェにある和風サンドウィッチを食べたくなった。 舞台の幕間に設けられた休憩時間のティータイムに、何か少しだけ摘まみたいと感じたときに選ぶメニューである。 パンに挟まれているのは、キュウリや蒲鉾、海苔、胡麻などの食材…

シークレットワードとして使ってしまった名。

夏休みだからだろうか。 恐竜のおもちゃを握りしめている子どもを何度も見かけた。 恐竜は少年の心を躍らせる何かを備えているのか、恐竜のおもちゃを握りしめていたのは、男の子ばかりであった。 恐竜と男の子を安易に結びつけてしまうのは違うような気もす…

なりきりっぷりを観察した夏の午後。

調べものついでに随分と久しぶりに『土佐日記』を手にとった。 作者である紀貫之(きのつらゆき)の名前を目にするのも久しぶりである。 学生の頃は、読まされている、読んでおいた方がいいと言われているものという感覚が強かったのだけれど、あるとき、ふ…

でっちあげられた物語。

今年は梅雨らしい梅雨が来ないまま梅雨が明けてしまうのではないだろうか。 なかなか降らぬ雨にそのようなことを思いながら紫陽花を眺めた日もあったけれど、振り返れば、今年もしっかりと梅雨と呼ぶに足る雨が降った。 こうしてしっかりと帳尻を合わせてく…

不思議の国への扉の奥で出会った世界。

『不思議の国のアリス』をモチーフにして作られたボックスを持っている。 これをいただいたのは7年前、いやもっと経っているだろうか。 年に1度か2度、その箱を開けたり閉めたりしながら眺めて一息つくのが、ささやかな楽しみのひとつである。 本当は、い…

雨音をBGMに、ひと昔前の日本へタイムスリップ。 

今月はラフカディオ・ハーンの誕生月だと、近所にあるカフェで知った。 他人様の名に対してこのようなモノ言いは失礼なのだけれど、初めて彼の名を耳にしたとき、どこで区切ればよいのだろうかと迷った記憶がある。 今ではラフカディオ・ハーンと区切って言…

“ういろうさん”の“ういろう”は、お菓子?お薬?

小腹を満たすため、キッチンでお茶の準備を始めた。 子どもの頃から密かに“好き”と感じている外郎(ういろう)に静かにテンションが上がる。 あの、むっちりぷるんとした食感と優しい甘さ、いい意味で想像を裏切ってくれる口解けの良さは、癖になる。 しかも、…

歌舞伎は一所。

偶然立ち寄ったアンテナショップ内で、隈取(くまどり)をモチーフにしたキャンディーを見つけた。 隈取(くまどり)とは、歌舞伎で使われているお化粧のことで、顔を白く塗った上から、赤、青、茶、黒といった色を使ってデザインされているのだけれど、 隈取(く…

架空の虫をあてがわれ。

テレビを点け、番組表を眺めていると、吹き替え版の洋画の台詞だと思うのだけれど、「何て虫がいい奴なんだよ」と聞こえてきた。 気になるような番組が無くテレビを消したのだけれど、「虫がいい」という言葉に登場する「虫」とは何ぞやと思った。 言葉の意…

大人の目でのぞく七つの子。

歩く私の横を、園児を自転車の後部席に乗せたお母さんたちが数人通り過ぎた。 後部席での過ごし方は、お母さんに圧し掛かるようにして眠っている子、両手に握った玩具か何かを空中で器用に戦わせて遊んでいる子、絵本を読んでいる子など様々で、後部席での過…

“青丹よし”から始まるカラートラベルツアー。  

出先で素敵な色をした蜻蛉玉(とんぼだま)を見つけた。 蜻蛉玉(とんぼだま)とは、中央を突き抜ける穴が開いたガラス玉で、様々なアクセサリーのパーツとして使われたり、インテリア雑貨やお香立てなど幅広い用途で使われるものである。 このガラス玉には様々…

休息することに罪悪感を覚えることがあるアナタ、「妖怪いそがし」にご注意あれ。

数か月に一度ほど近況報告をし合う友人がいる。 この友人、いつ連絡をとっても忙しくしている。 互いに引っ越しを繰り返し、近くに住んでいないこともあり、直接顔を合わせることは殆どないのだけれど、 会おうと思えばあえる距離に住んでいたときも、今と左…

ひとつの食材を味わい尽くす豆腐百珍。

年が明けて間もない頃、お目当ての洋書をネット上で探していたときのことだ。 洋書を探していたはずなのに、どういう訳だか、私のPC上には江戸の料理本のタイトルが並んでいた。 当時出版されたものを多くの方が各々の視点で翻訳された著書なのだけれど、 …

歯科クリニックで出会った、クスッと笑えて、ちょっぴり切なくて、少しためになる本。

引っ越しをする度に困るのは、予防歯科のための歯科クリニックを探すことである。 かかりつけのクリニックがあれば、お口の中で異変が起きたとしても、プロに早期発見してもらえるため、大事に至ることはないという安心感がある。 しかし私は、もう随分とい…

名探偵気分で時代の流れをのぞき見。

テレビを点けてザッピング。 テレビから微かに聞こえるような気がするのは、チャンネルが切り替わる瞬間のパチッという音。 チャンネルが一向に定まらず、見たいものがないのだと諦めた私の指先が最後に切り替えたチャンネル画面に映ったのは、古い時代劇だ…

芥子の実から法話まで。

旅先で立ち寄ったお寺で素敵な法話を耳にすることがある。 法話とは、仏教に携わっている僧侶の方々が、仏教の教えに基づいた話を分かりやすく説き聞かせること。 このような説明をしてしまうと堅苦しさを感じてしまうのだけれども、 聞くところによると、予…

おやゆび姫の世界をマニアックに覗いてみる。

先日立ち寄った花屋には、花びらの先端がフリンジ状になったチューリップが多数入荷していた。 とても洒落たチューリップなのだけれど、その日はスタンダードタイプを欲していたため、購入しないまま花屋を後にした。 帰り道、せっかくの機会だったのだから…

一月往ぬる、二月逃げる、三月去るから思ふこと。

友人から送られてきた画像には、濃いめのピンク色をした早咲きの桜と青空に映える黄色がエネルギッシュな菜の花が収められていた。 しかも、それらが連なって咲いている様子は、春がグイグイと迫ってくるようなインパクトが画像越しからでも感じられ、うわー…

古のモテ男から見る蒲(ガマ)の数珠繋ぎ。

子どもの忘れ物だろう。 道端の花壇に、とてもカラフルな色使いの表紙が印象的な『因幡のしろうさぎ』の絵本が立てかけられていた。 表紙上で白うさぎよりも目立っていたのは、物語内で白うさぎを助けた神様界の大御所であり、スーパーヒーローであり、神様…