幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

「囲炉裏」の始まる日。時代を受け継ぐもの。

 

f:id:hiiragi1111:20151116144226j:plain

 

つい最近まで暑いと感じていたような気がするのだけれど、

肌にあたる風はすっかり凛とした冷たさを帯びています。

 

色づいた木々の葉が、

ひらりひらり、

ゆらりゆらりと舞い落ちて

流れる風は次第に冷たさを増してゆくのでしょう。

遠い山に、街中の木々に、街ゆく人の装いに、

冬の気配が感じられてくる頃の事を「立冬」といいます。

 

温暖化になり日本の四季の境目も

だんだんと間延びしているように感じられる年もあります。

それでもこうして、

季節が移り変わった事を肌で目で感じられるのは

自然と共に歩んでいられている気がして嬉しいものです。

そして四季を感じられる日本に生まれた事を

ちょっぴり誇りに思ったりもします。

 

皆さんは、

日本には『こたつ開きの日』というものがあるのをご存知ですか?

 

今はエアコンのスイッチひとつ、

床暖房のスイッチひとつで

ヒーターのスイッチひとつで

簡単に部屋の中を快適な温度に整える事ができます。

その為、慌てて冬支度をする事もなくなってきましたが

江戸時代は『こたつ開き』といって

こたつを出したり、

囲炉裏に火を入れたりする日がありました。

 

旧暦10月の初亥の日と決まっていたのです。

旧暦の10月は新暦ですと11月にあたります。

そして、今年(2015年)の『こたつ開きの日』は、

11月19日です。

 

陰陽五行説では

自然界は木、火、土、金、水の5つの要素で成り立っている、

とされており、季節や色、臓器、干支など

いろいろなものにもあてはめられています。

 

亥(いのしし)は火を避ける動物であり、

陰陽五行説で亥は水の性質を持っていることから

火を制するとされていました。

そこから、

『この日から火を使い始めると火事にならずに安心して過ごせる』

と古くから云い伝えられており、

この日に『こたつ開き』をするようになったようです。

 

こたつや囲炉裏の他に、

茶の湯の世界でも同じ日に炉開きを行ういます。

この時、『亥の子餅』という和菓子を食すのだとか。

この亥の子餅(いのこもち)は玄猪餅(げんちょもち)とも言われ、

歴史が古く長い間受け継がれてきた和菓子です。

 

f:id:hiiragi1111:20151117135059j:plain

 

大豆、小豆、大角豆、栗、胡麻、柿、糖の七種を入れた餅で

亥の子(イノシシの子ども)の形や色を真似て作られています。

無病息災、火災の厄除け、子孫繁栄を願って

家族みんなで食されていました。

 

現代でもこの時期になると

和菓子屋に「亥の子餅」「玄猪餅」などの名で

美味しそうなお菓子が並びます。

 

こたつ開きの日、

美味しい和菓子と共に日本の歳時を体験してみませんか?

日本の歳時には、

日々を丁寧に楽しく過ごすヒントがありますよ。