幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

こどもの発想がまわりと違っても驚かないでね

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もしも、あなたのお子さんの発想が

周りのお子さんと違っていても驚かないであげてください。

そんな事もあるんだね、

そんな見方もあるんだね、と

まずは言ってあげてください。

 

いや、驚いても良いんです。

ただ、ほんの少し、

その驚きを伝えてしまうのを待ってあげてもらえませんか?

 

これは、私が小学生だった頃の出来事です。

美術の時間にお面を作る事になりました。

テーマは「怖い顔をしたお面」です。

プラスティック製のお面の型に

白い紙粘土を張り付けて、

各々が思う、想像する、怖い顔を作りあげて、色を塗る授業です。

 

先生の「始めましょう」の合図の後

一斉に紙粘土を袋から取り出します。

この時はまだ教室内もワイワイ、ザワザワ賑やかで

これから作り始めるお面について思いを語り合ったり、ふざけ合ったりしています。

しかし、それも束の間みんな目の前のお面に集中しだします。

もちろん、当時の私も。

 

既にこの時、

私の頭の中には作りたい「怖い顔」の完成図があり、

黙々顔作りに取り組んでいました。

怖い顔という共通のテーマにそって作っているのに

子供たちの感性は自由でのびのびとしていて

個性が出ていたように思います。

何度目かの授業でお面の色塗りが始まりました。

 

私はピンクやオレンジ、黄色にグリーン、

とてもカラフルで色鮮やかな絵具をパレットに出し

塗り始めました。

楽しくて、楽しくて、自分の完成イメージに向けて色を重ねていました。

 

ところが、周りを見渡すと

茶色や黒、グレーといった暗い色ばかりが目立っていて

子供ながらにどこか浮いている自分のお面に躊躇した事を

何となく今でも覚えています。

 

その調子で作業を進めて

私自身はとても満足できる「怖いお面」が仕上がりました。

「カラフルだけれども、お面の目は笑っていない」

そこが怖いなーと思って作ったお面。

 

だけど、周りの反応は全く違いました。

「柊希ちゃん、怖い顔のお面を作らないといけないのに、

なんで楽しい顔にしたの?」

 

今なら分かるのです。

怖いというイメージを

鬼の様な表情と暗い色から表現するのが一般的で、

きっと先生もそういう作品が並ぶ事を想像していたのでしょうね。

私はお昼休みに職員室に呼ばれて

カラフルなお面を作った理由を尋ねられました。

正直に伝えた記憶はあるのだけれど、

その時の先生の表情や反応は覚えていません。

 

ただ、自由にすると周りを驚かせてしまうんだな

ということを強く意識するようになったような気がします。

そして、周りの目を必要以上に気にしてしまう時期が

私にはありました。

 

今は、自分自身の感性を大事にできるようになったけれど、

当時の私はこういう出来事が、

記憶に残っているだけでも幾つかあり

「人と一緒でなければいけない」というルールを

窮屈さと葛藤と共に少し不器用な形で

自分の中に持つようになった気がしています。

 

もしも、あなたのお子さんの発想が

周りのお子さんと違っていても驚かないであげてください。

そんな事もあるんだね、

そんな見方もあるんだね、と

まずは言ってあげてください。

 

あの頃の、子供だった頃の私からの

ちょっとしたお願いです。