皆さんは、髪の毛を梳かす際、どのような櫛をお使いでしょうか。
今回は、毎日使用する「櫛」のお話しを少し、と思っております。
ご興味ありましたら、ちらりとのぞいて行って下さいませ。
髪の毛のコンディションが何となく整わないなと感じられるとき、櫛を見直してみるのも手だと耳にすることがある。
日本には、古くから使い続けられている「木製の櫛」が多数ある。
その中でも日本人の髪の毛や頭皮に良いと言われているものが「つげ櫛」である。
つげ櫛は、プラスティックの櫛と異なり、髪の毛を梳かしたときに静電気を起こさないため、抜け毛や枝毛、切れ毛を抑えてくれるのだ。
嬉しい効果はこれだけではない。
つげ櫛には椿油が染み込ませてあるため、普段通りに髪の毛を梳かすだけで椿油が少しずつ髪の毛に浸透し、自然な潤いとツヤが出てくるのだ。
椿油が髪の毛に浸透するといっても、櫛はサラッとしており、髪の毛が椿油でベタつくようなことはない。
更に、つげ櫛でブラッシングをするときに櫛の先端が頭皮に当たるけれど、この当たりがとても心地よく、頭皮マッサージの役目も果たしてくれるため、使用するにつれ血行が良くなっている事を実感することもできるのだ。
ヘアサロンへ足を運んで頭皮のマッサージをしていただくと、全身の力が抜けるような脱力感が味わえる。
さすがに、あのようなプロの腕には到底敵わないのだけれど、セルフケアとしては十分に心地よい刺激を日常に取り入れることができるというわけだ。
湿度が高い時期と同じように、乾燥するこの時期も髪の毛が広がりやすくなるけれど、つげ櫛は毎日使うことで髪の毛を芯から整えてくれるため、様々な髪質ケアに適している櫛と言われている。
新しいつげ櫛は白っぽいけれど、使い続けるうちに、少しずつ少しずつ飴色に染まっていく。
この色の変化は、つげ櫛を使う醍醐味の一つでもある「つげ櫛の味」である。
革製品なども「使い続けていくうちに味が出てくる」などと言うけれど、つげ櫛も同じ。
同じ時期に同じ「つげ櫛」を使い始めたとしても、使う人によってその「味」の出方は様々。
変化を楽しみながら長いお付き合いをしていきたい、そう思えるアイテムだ。
大切に使えば一生使うことができると言われている「つげ櫛」。
最近では、年頃のお嬢さんに贈る方や日本好きの外国の方からの支持も高いのだとか。
実用性と櫛本来の効果があり、デザインもシンプルな半月型のものから素敵なデザインが彫られているものまで幅広くある「つげ櫛」。
日本には、このような素敵なアイテムが多々受け継がれている。
古くから変わらずに在るものは、例え地味な存在だとしても、在り続けられている何かがあると思うのだ。
そのような「何か」に触れてみたり、感じてみる日々の暮らしも良いものである。
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