皆さんは“風呂敷”お使いになられますか?
今は素敵な絵柄の風呂敷が豊富にあって
国内外で注目されているアイテムですが、
私、お恥ずかしながら20代前半の頃は風呂敷の良さが全くわかりませんでした。
どちらかと言うと、古くさく、堅苦しいイメージ。
だけれども、大切な方へのご挨拶その他、
礼節が重んじられる場では何かとあると便利な、恰好の付くアイテム。
それくらいの認識で居たのです。
しかし、一瞬にして私は風呂敷に興味を持ちました。
それは仕事を通してあるご年配の素敵な女性に出会ってから。
何種類もの風呂敷をお持ちのようで
様々なシーンで、その時々に合う風呂敷をサラリと使いこなす姿に
カッコイイな、素敵だな、と思ったのです。
昔からある紫色の風呂敷の隅には素敵な紋様がシンプルにひとつだけあるもの。
ダイナミックな柄で色鮮やかな目を引くスタイリッシュなもの。
優しいふんわりとした色使いと、訪問着のようなもの。
つい、二度見してしまったのは、
こ洒落たパリジェンヌが手にしていそうな
キュートなソフトクリーム柄の風呂敷を目にしたときです。
「えっっ!」思わず心の声が漏れてしまった。
「可愛いでしょ?風呂敷に興味がわいたかしら?」
そう言われて、「はいっ!」そう答えた日の事を、ほんの少し前に思い出しました。
それからは、お話しする機会があった時にには、
少しずつ風呂敷の話を聞きました。
とは言うものの、堅苦しい話は苦手だという彼女は毎度、
「ずぼらにこそ便利なの!」そう言い放ち話題を変えてしまうのです。
確かに風呂敷は便利です。
柄などを選ぶ必要はあるけれどご挨拶などの時に使うことはもちろん。
どんな形の物でも包むことができます。
上手な包み方なんて言うものもあるけれど、
私が度々彼女から聞かされたコツは、
「形式なんてあまり気にしなくて大丈夫!まずは自由に使ってみたらいいわよ、便利だから」というもの。
内心、また出た。彼女の「便利だから」が、と思っていましたが
素直に従う事にしました。
お買い物をして、ちょっと気に入らないラッピングだった場合、風呂敷の出番です。
紙袋ごと外側から覆ってしまえば気にならずに済む。
鞄の中に物をたくさん入れなくてはいけなくて、
鞄から中身が出てしまうような時も風呂敷の出番です。
鞄の口にかけておけば中身をみられる事を気にしなくて済みます。
バッグの底に忍ばせて旅へ出た時、
移動中の車内が冷えてきてひざ掛けにした事もあります。
煙もくもくの焼肉屋さんで鞄や上着にかける布が無かった時にも重宝しました。
家の中で一時的に物などを入れておく籠にふわっと被せれば目隠しになりました。
デザインなどを良く吟味すれば、実用性のあるインテリア雑貨としても使える。
彼女の言う通り、自由でした。
今ではバッグの手持ち部分(ハンドル)だけ売られています。
このようなもの。
これとセットで鞄にそこに忍ばせておけば簡単にエコバッグになったりもするのです。
私は風呂敷を旅行に持参することが多いのです。
スーツケースを開けた時の目隠し代わりに使っているのだけれど
旅館などで好みの浴衣を選ばせていただけて館内は浴衣で移動する場所の場合、
お洋服用のバッグを持ち歩くのは何だか落ち着かない。
そんな時、風呂敷で簡易バッグを作ってお財布と必要最小限のものを入れて
お土産売り場なんかを見て回るのです。
浴衣に合わせたバッグのように見えて、お洒落度もあがります。
昔の物という先入観を捨てて、
生まれ変わった古きよきものを見直してみると新しい発見とちょっぴり楽しい瞬間があるものです。
風呂敷の世界、宜しければ一度、覗いてみてくださいませ。
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