お正月料理の代表格と言えば「お雑煮」ではないでしょうか。
同じお料理でありながら使う素材も味も地域性豊かですよね。
出身地によって異なるお雑煮話で盛り上がったりもしますよね。
皆さんは「お雑煮」を食べるようになった由来をご存知でしょうか?
今回は、「お雑煮」のお話しです。
古来より、新年を迎える準備として、
お餅と他の産物を*年神様(歳神様)にお供えしてきました。
そして元日に年神様(歳神様)にお供えしたお餅と他の産物の「おさがり」をいただいて、
それを煮て食べた事がお雑煮文化の始まりの様です。
「おさがり」とは、
神仏にお供えした食べ物や飲み物を下げたもののことを言います。
神様からのおすそ分けのような物ですね。
雑煮の文字からも見てとれるように語源は「煮雑(にまぜ)」で、
その土地の様々な材料を煮合わせたものがお雑煮です。
お餅は昔の日本人にとっては特別な「ハレ」の日に食べる食材で、
時代の経過と共に現在のようなお餅をメインにしたスタイルになったようです。
元日から三日にかけて、お祝いのお料理にお雑煮を添えますが、
「食い上げる」といって
毎日一個ずつお餅の数を増やすと縁起がいいと伝えられています。
さすがに三日めのお餅三個は、お腹がいっぱいになりすぎてしまうので
私自身はチャレンジ達成してことはありませんが、
気持ちだけは三個いただいた気持ちで過ごしています。
そして、お正月料理をいただく際には、
先端と持ち手側の両先端が細くなっている
慶事用の「祝い箸」を使うのが風習となっていますよね。
この風習にも意味があるんです。
どうしてこの「祝い箸」を使うのかというと、
片方は人が食べるために使うもので、
もう片方は神様が食べるために使うものなのです。
使い勝手の良さから自分用の先端と、とりわけ用の先端と思いがちですが
両先端が使える祝箸を使って、
神様と一緒に食事をする、という神人共食(しんじんきょうしょく)の意味があります。
お正月のお料理は、人間がお祝いで食べるだけではなく、
無事に新年を迎えられたことを神様への感謝としてお供えし、
そのお供えを神様と一緒に食べることで、
その年の豊作や繁栄、家内安全が神様から得られると考えられてきました。
私たちが当たり前のように食べているお雑煮に、
このような意味や思いが込められていると知ると
いつものお雑煮がすこしばかり違って見えるのは私だけでしょうか。
お正月、このようなお話も挟みながら
皆さんで楽しく、美味しく、お雑煮を召し上がって下さいませ。
*年神様(歳神様)や鏡餅を飾る理由は、こちらでもお話しさせていただいております。
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