久しぶりに自宅を訪れた友人と、キューブ型のシュークリームとオレンジピール入りの柑橘系ルイボスティーを楽しみつつ、今年一年分のあれやこれやを吐き出しあい、漠然と抱いている自分の今後について語り合った。
女性の会話というのは、実に自由である。
話題が目に入ったもの、思いついたものから次から次へと移り飛んでは広がってゆく。
まるで、目に入ったお店へ吸い込まれるように入り、お店から出るとまた次のお店へ吸い込まれてしまうウィンドウショッピングと似ているようにも思う。
この日も、然り。
話題は「爪」の話へ移った。
その時友人が言うのだ。
夜に爪を切ると「親の死に目に会えない」なんて縁起の悪い言い伝えがあるけどさ、あれって困るよね、と。
彼女は爪を切るのは決まって夜なのだとか。
その度に諸説知ってはいるものの一瞬躊躇う自分もいて、いい大人になった今でも、恐る恐る夜に爪を切る自分に時々苦笑するのだという。
何となく分かる気がする。
私も夜に爪を切る事が多い。
私も自分の寿命は縮めたくないので、そんな時は心の中で「夜切る爪は鷹の爪」という呪文を唱えていると話すと、手帳を出し呪文を書き記しはじめたのだ。
そんな友人を可愛いと眺めつつ、私はルイボスティーを口に運んだ。
すると「はっ」と言う声と共に彼女がペンを片手に顔をあげた。
「自分の寿命は縮まないでしょ、親が亡くなる場に居合わせられなくなる事じゃないの?」という彼女。
そういう説もあるけれど、私は、「夜に爪」→「よづめ」→「世を詰める」という流れから夜に爪を切ると自分の人生を短くしてしまって、親より早く亡くなるから親の死に目に会えないという意味の方に馴染んでいると話すと「へぇ~」と興味深げだった。
日本には「夜に爪をきるのは縁起が悪い」という言い伝えがあります。
昔は今みたいに電気がないので暗い部屋だったので、爪を切ると爪が床に散らかり、それを踏んで痛い思いをするのを避ける為だったり、手元が狂って怪我をしない為だったりを子供に伝える為だったのでしょう。
子供の頃に親に言われたことがある人も多いのではないでしょうか。
あなたは「夜の爪切り」をどんな風に記憶していますか?
お子さんには、どのような迷信を伝えましたか?伝えますか?
私が使ってきた呪文は「夜切る爪は鷹の爪」ですが、
他にも
・『誰の爪切るの?猫の爪。どこに捨てるの?竹藪。』と3回唱えてから爪を切る
・『何のつめ切る猫のつめ切る・あすは旅立ちやれ急がしや』と唱える
などがあるようです。
夜の爪切りには諸説ありますが、呪文とセットでいかがでしょうか。
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