ふらりと立ち寄るお店の中に、
国内外の珍しい調味料や食品を扱っているお店がある。
珍しいものだけではなく、
化学調味料が使われていないものや
有機栽培されたもので作られている自然派食品なども扱われているので
とてもワクワクする空間だ。
その日は時間調整も兼ねて目新しい物や情報は無いか、店内を見て回っていた。
すると、サツマイモ、栗、柿、トマト、茄子などのジャムが陳列された
ジャムのコーナー目に留まった。
気になったジャムを手に取り、成分などを確認していると
外国人観光客のご夫婦らしき人たちが現れた。
彼らもメイドインジャパンのジャムを手に取って、あれこれ話をしていた。
時々耳に届く会話から、
旅行中に食べた日本のフルーツが美味しかったので
日本のフルーツで作られたジャムを買って帰ろうとしているようだった。
奥様らしき方の発言の中に
「日本ではジャムと言ったり、コンフィチュールと言ったりするのね」とあった。
ここ最近では「ジャム」ではなく「コンフィチュール」と言った方が
おしゃれなイメージがわくからなのなだろうか。
「コンフィチュール」という名で出されている物が増えてきているようにも感じる。
ジャムとコンフィチュールは見た目は同じだけれども何が違うの?と
思った事はないだろうか。
素材をシロップで煮込んだり、漬け込んだり、といった加工方法や
素材の形状が変わると、コンポート、コンフィなどと呼ぶことがある。
だけれども、「コンフィチュール」という言葉は本来、
フランス語でジャムを表す言葉なのです。
日本では、一風変わった作り方をしていたり、珍しい素材を組み合わせていたり、
糖度よりもフルーティーさをアピールしていたり、
商品におしゃれな雰囲気を纏わせたい意図があったり、
一般的なジャムのイメージと少し違うものや、作り手のこだわりを表す場合にも、
コンフィチュールという表現を使われているように感じます。
果実や野菜にお砂糖などを加えて煮詰めてぷるっとさせたものを、
英語でジャムと言うかフランス語でコンフィチュールと言うか、
というだけの違いであるはずなのだけれど、
日本では統一されておらず、
作り手のこだわりや決定に委ねられているのが現状のようです。
ジャムの使い道もトーストやヨーグルトと一緒に食べる以外に、
お料理に使ったり、紅茶に入れたりと幅が広がっているので
その用途に合ったこだわりのジャムが増え、おしゃれにアピールするために、
昔からの耳慣れた「ジャム」という響きよりも、
新しい響きの「コンフィチュール」が選ばれている場合もあるのかもしれません。
日本人は一見保守的に見えるけれど、
思いのほか、新しい物を取り入れて自国流にする事が得意なのかもしれないですね。
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