自宅に常備している便箋や封筒、カードなどの残量が心許なかったので
久しぶりにロフトへ行ってみる事にした。
日本製の文房具は機能性に優れていてクオリティも高く、
デザインも豊富なので外国人の友人、知人へのお土産にも喜ばれる。
その日はお目当てのものをカゴに入れ、
ひと通り文具類を見ていたのだけれども、
ちょっぴり心躍るアイテムを二つ見つけた。
ひとつは、万年筆。
私にとって万年筆はスペシャルなアイテムだ。
それ故、自分にとっての「これだ!」というものを拘って探す、
というイメージをもっていたのだけれど
とってもキュートな万年筆がお手頃価格で陳列されていたのだ。
PILOTから販売されている「万年筆カクノ-kakuno-」。
カジュアルなボディーにカラフルなキャップ、
ロゴもコロコロとしたイメージで馴染みやすい。
持ってみると、万年筆特有のズシッとした重みはなく
ボールペンを使う感覚に等しかった。
シンプルだけれども、これだけではないのが日本の文房具。
キャップを取るとペン先が笑っているのだ。
この、あっても無くても使用に支障はないところに、
ひと手間をかけているところがニクイ!
使いたくなってしまうではないか。
しかし、このようなアイテムは可愛いだけでは使い続けられない。
自分の生活に馴染んでもらうには、
書きやすさ、握りやすさなどの実用性も重要視される。
ペン先の笑顔に持っていかれた気持ちを手繰り寄せ、
冷静に実用性を検証してみる。
鉛筆の様な六角形のボディに、グリップも特徴のある形をしていた。
個人的な細かな好みはあるのだけれど、
これはこれで鉛筆の延長線上にある万年筆、のような印象で
小学生でも使える万年筆、といった印象をうけた。
私が子供だった頃は万年筆は大人が使うもので、
手が届かないもどかしさや憧れがあったけれど、
今は「使ってみたい」という気持ちを叶えてくれる商品があるのだな、と思った。
もちろん、子供用というのではなく大人も使えるような形で。
もう一つ、目に留まったのは付箋紙。
こちらもよくお世話になっているアイテムで、
私は粘着性を重要視している。
主にPCやデスク、手帳に張り付けているのだけれど、
気づいた時に剥がれていたり、
今にも剥がれてしまいそうな姿を目にすると残念な気持ちになってしまう。
その日、初めて目にした付箋紙は、
日本ホールマークから販売されている「イケメン付箋」だ。
「オフィスや仲間内の円滑なコミュニケーションに」ということで
販売されている付箋紙なのだけれど、
相手を選びはするけれど、ちょっとしたネタにはなるのかもしれない。
そして、ここでも日本人らしさを垣間見たのだ。
それは、この付箋紙のキャラクター全員に
『教師(31) data:言動は厳しくて冷たいけど本当は優しいツンデレマン』
といった簡単なプロフィールがついていること。
こちらも、あっても無くても使用に支障はないところに、
ひと手間かけられているところに遊び心があっていいな、と思う。
この日、万年筆も付箋紙も購入には至らなかったけれど、
その商品に触れている間、色々な事が感じられて楽しい時間だった。
そして、物そのもの自体の役目だけではなく、
使う人の日常に楽しさや嬉しさ、喜びみたいなものも添えたいという
作り手の気持ちが見られたようだった。
日本の文房具には夢がある。
小さな小さなテーマパーク、機会がありましたら覗いてみてはいかがでしょう?