幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

ポトフの本場フランス流の食べ方とは?

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学生時代、フランス語を勉強する機会があった。

結果的に、あまり身に付きはしなかったのだけれども、あの時、フランス語と私のエニシが結ばれたのだろうか。

不思議なご縁で年に一度だけ、電子辞書片手にフランス語のメッセージを綴る機会がある。

今年もスペルにも注意を払いながら、伝えたい事をフランス語へと変換する作業をしていた。

こんな時にきまって思い出す記憶がある。

私がお世話になっていたフランス語講師はフランス人だったのだけれども、どういうわけか、フランス語での会話がおぼつかない私を気にかけてくれていた。

毎日、フランス語で日記を書き(書かされ)週に一度、その日記を手に彼女と会い、そこに綴った内容についてマンツーマンで一時間程、お茶とスイーツをいただきながら会話をするのだ。

もちろん、授業とは関係がないプライベートタイム。

あまり意欲の湧かなかった当時の私にとっては、できれば避けて通りたい時間だった。

だけれども、不思議な事は起こるものだ。

会って話を始めると、英語を混ぜたフランス語ではあったけれど、どういう訳だか意思疎通が出来、会話が成り立つのだ。

ひと回り以上も歳のはなれた彼女だったけれど、今思い返すと、わりと深い内容の話をお互いにしていた。

きっと、私の事を変に子供扱いせずに対等な目線で話をしてくれていたから、人と人としての会話が成立していたのかもしれないと今は思う。

ある時、週末にポトフを作るけれど一緒に作らないかと誘われた。

内心、週末に頭の中でフランス語を並べて四苦八苦するのは億劫だな、と思った。

だけれども、あまりにも子供みたいな笑顔で誘うものだから行けば行ったで楽しいか、と思い直し、そのお誘いに乗る事にした。

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予め彼女が用意してくれていた材料は日本でも手に入る物ばかり。

その時は沢山の野菜と牛すじ肉のポトフだった。

ポトフはフランス料理で、大きめに切ったお肉とお野菜をじっくり煮込む。

コツがあるのかと聞いてみると、ポトフは自由に好きな物を煮込めばいいだけだからコツは無いのだと言う。

歌う事が好きな彼女の陽気な歌声にハモるようにという彼女のむちゃぶりに、ひきつり気味の笑顔で応えつつ、てんやわんやの中、優しい香り漂うポトフが完成した。 

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出されたお皿にスープを盛り付けていると彼女が大きな声を上げた。

どうやら私の盛り付けに問題があったらしい。

正式にはスープはスープのお皿に、煮込まれた具材はメイン用のお皿に盛り付けるのだそう。

簡単な料理だけれどもフランス人、そこには拘るのかと思った。

テーブルの上には、様々な種類のお塩、マスタード、ブラックペッパー、サワークリーム、チーズなどが並べられた。

本場ではこのようなスタイルで食べるのだ、と知った瞬間である。

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ひと皿の中に盛り付けてしまえば楽だと思うこともあるのだけれど、その日以降私は、スープ皿とメインのお皿に盛り付けて、調味料をテーブルに出す、このスタイルでポトフを食べている。

お肉はその日の気分によって牛、鶏、豚と変わるけれど、牛すじ肉を使う時は、彼女の歌声が今も頭の中に鳴り響いて少し笑ってしまったりもして。

本場流にお皿を分けるもよし、調味料をちょい足ししながら味の変化を楽しむもよし。

体も心も温まるポトフが美味しい季節です。

冷蔵庫の中のお野菜をコトコト煮込んでポトフなどいかがですか?

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