歴史に興味がある方も、それほど興味の無い方も
戦国時代から安土桃山時代にかけて、
かつての日本に織田信長という武将がいた事はご存知かと思います。
今ではフィギュア界のご子孫も知名度では負けてはいないのかもしれませんね。
その織田信長の時代に生まれたお菓子が
幾百年の時代を越えて今も在るのだとしたら、食べてみたいと思いませんか?
今回は、時代を越えた今も愛されている「松風」という焼き菓子のお話です。
時代背景などの前に、
皆さんが一番知りたいであろう「松風」とはどんなお菓子?
美味しいの?という疑問からご紹介してみますね。
「松風」とは松風焼き、味噌松風とも呼ばれている京銘菓のひとつです。
使用されている材料は、
松風が生まれた時代の事を思えば頷ける
小麦粉、砂糖、麦芽飴、白味噌、ケシの実というシンプルなもの。
これらを混ぜ合せて自然発酵させて出来上がった生地を
鍋、今だとプライパンや鉄板、ホットプレートなどのようなものに流し込み、
表面にケシの実をパラパラと振りかけて焼き上げます。
これが松風です。
イメージとしてはカステラの様な、ホットケーキのような。
だけれども、ふわっとはしておらず、
もちもちっとした弾力と、しっかりとした甘さがあります。
ほんのり、微かに香るお味噌もいい塩梅です。
お茶や、コーヒー、紅茶、お子様であれば牛乳、との相性も抜群です。
特に私が個人的におススメしたいのは、
『亀屋陸奥(かめやむつ)』の松風です。
素朴なお菓子ゆえ、
素材の配合がダイレクトに味に反映されるような気がするのですが
いつ食べても飽きない点が気に入っています。
ご挨拶時や、京都のお土産として、ちょっとした手土産として、自宅用として、
用途に合わせたパッケージを選ぶこともできます。
贈り物として使う時は、
丸状の松風を短冊状に切り分けられたものが丁寧に並べられている
「箱入り(紙箱、木箱)」、「袋入り」から選ばれるといいと思います。
私は自宅で楽しんだり、
気心知れた友人にラフなお土産として渡す事が多いので、
そのような時は、丸状の松風を切り分ける際に出る切れ端なども
詰められている「徳用袋」を購入しています。
徳用袋と聞くとざっくりとしたイメージを抱かれるかと思いますが、
真っ白な厚手の和紙のような袋に
シンプルに亀屋陸奥(かめやむつ)のロゴが映える
ちょっと粋なパッケージで、こちらもおススメです。
この松風は、
11年あまり続いた織田信長と石山本願寺(現在の大阪城の地)の合戦のさなか、
亀屋陸奥(かめやむつ)の三代目大塚治右衛門春近氏が
考え抜いて作ったお菓子で当時は兵糧の代わりとなったのだそう。
その後、顕如上人は織田信長との和睦の後に
『わすれては波のおとかとおもうなり まくらにちかき庭の松風』と、
京都六条下間(しもつま)邸にて詠まれたそうなのですが、
この歌から当時の亀屋陸奥の方が「松風」の名を取り、
焼き菓子に名付けたのが亀屋陸奥の「松風」のはじまりなのだそうです。
見た目も味もとても素朴ですが、
幾百年の時代を越えた今も多くの人を惹きつける「松風」、
機会がありましたら時代からの味に舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。
関連リンク:亀屋陸奥