ゴツゴツゴロッとした立派なニンニクをパキッと手で割る。
ふた片を本体から引き離すと、すぐにニンニクが香りを放った。
大根と鶏手羽もとを煮込む時に、豪快に潰しただけのニンニクの片を隠し味にお鍋の中に忍ばせる。
和風の煮物にするか、中華風の煮物にするか、味付けを決めかねたまま私の煮物調理は始まった。
指先についたニンニクの香りを取り除くべく流水に指先を差し込んだ。
指先同士をこすり合わせながら私の思考はエジプト時代へと飛ぶ。
何時ぞやかに読んだ本に、ピラミッドとニンニクとの深い関係が書かれていた。
ニンニクの歴史はとても古く、紀元前4000年頃、古代エジプト時代から在るのだとか。
なぜそのような事が分かったのかというと、
その時代に造られたエジプトの王のお墓からニンニクの粘土模型が発見されたのだそう。
この情報を知ったときの私は、正直なところニンニクの存在よりも
誰がどういう理由でニンニクの粘土模型なんか作ったのか。
そちらの方に興味津々だったが、その答えはいまだに得られていない。
ニンニクは食材というよりは、薬として扱われてきたのだけれど、
特に疲労回復、体力維持の効果に注目が集まり、
当時、ピラミッドを造っていた労働者たちには大量のニンニクが支給されていたのだそう。
そして、何らかの理由でその支給が止まってしまうと
ストライキが起きることもあったということが過去の文献に残されているのだとか。
もしも、この世にニンニクが無かったなら、
私たちがあのピラミッドを見る事はなかったのかもしれないのか、と
まな板の上にゴロッと横たわったままのニンニクを眺め思う。
白い生のニンニクを大量に摂取することは、
においや体への刺激も相当なもので食した本人も家族や周りも、それはそれで大変だったのだろうにと思う。
今の時代であればにおいが無くて、白ニンニクよりも栄養価の高い黒ニンニクが手に入る。
黒ニンニクは、熟成、発酵を経てニンニクというよりはドライフルーツのようなのです。
一般的に言われているのはプルーンのような触感と甘み、ですが
実際に私も触感の柔らかいプルーンのようだと感じます。
発酵させることで栄養価もグンとあがるので、
化学薬品で作られた栄養ドリンクを飲むのなら黒ニンニクひと片を食べようと思います。
美味しく食べて、30分~40分で体がぽっかぽかになるのも個人的に嬉しいところ。
【黒ニンニクの効果・効能】
体を老化させる活性酸素を取り除く効果、疲労回復、血液サラサラ、
高血圧、心筋梗塞、血圧、コレステロール、血糖値の改善、免疫力UP、
アンチエイジング、基礎代謝UP、ダイエット、美肌など。
【食べる量】
1日1片で十分
そんな事を思っていたら小腹が空いてきたような気がして冷蔵庫の中の黒ニンニクに手が伸びた。
自宅でも黒ニンニクを作ることができるようなのですが、
私にとっては少々時間がかかりすぎる点がネックで、
プロが作ったものを食べたり、お料理に使ったりしています。
以前は大きな袋で購入していたこともあるのですが、賞味期限と摂取量のペースがなかなか合わないため
割高にはなってしまいますが、栄養補給をしておきたい時や風邪をひきたくない時、
お肌の調子が揺らぎそうな時などに、ひとかたまりずつ購入しています。
技術の進歩や発展も素晴らしいけれど、
もともと在るもの、もともとのカタチのままでも素晴らしいんですよね、きっと。
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