知名度の高いお菓子のひとつ、バウムクーヘン。
これがドイツのお菓子であることを知っている人はどれくらい居るのだろうか。
そして、このバウムクーヘン。
本場ドイツでは高度な技術が必要とされるお菓子のため、
いつでも、どこでも手に入れる事が出来るものではなく、
職人さんが作っている専門店で購入できる特別なお菓子なのです。
そして、ドイツらしいエピソードのひとつなのですが、
ドイツでは国立菓子協会でバウムクーヘンの定義が決められています。
以前お話しさせていただいたことのある、シュトレンにも定義があります。
使用する材料などの基準をクリアしたものだけが本物として認められるのです。
本場のバウムクーヘンも美味しいけれど、
日本のバウムクーヘンだって美味しいのです。
私はバウムクーヘンが好きで、機会があれば食べ比べをするのですが
お気に入りのひとつに
「es koyama-エス コヤマ」の
小山流バウムクーヘン「思い出の大きな木」があります。
es koyama-エス コヤマのお菓子は、
バウムクーヘンに限らず、
どのお菓子も後味がスッキリしている所が気に入っています。
甘みを楽しめるもの、
フルーティーさを楽しめるもの、
和と洋の素材を絶妙なバランスで融合させたもの、など
お菓子によってお味の系統は様々ですが
食べた後に口の中にいつまでも味がまとわりつくように残る、
という事が全くありません。
お菓子を食べているのだけれど和食を食べているかのようで、
ひと口目の味が、ふた口目の味を邪魔しないのです。
ですから、最初から最後のひと口まで美味しく味わうことができます。
満足度も十分に感じられるのに、
「しばらくは食べなくていいな」ではなく「また食べたいな」と思えるお味です。
そして、私が気に入っているもう一つの点は、
ただ美味しいというだけではなく、
お菓子に様々なストーリーが感じられるところです。
小山流バウムクーヘン 「思い出の大きな木」は、
分厚い本のように仕立てられたブックカバーボックスのパッケージから
本型の箱を取り出しページを開くと優しい卵色のバウムクーヘンが顔を出します。
そして、その開いたページには小山シェフの子供の頃の思い出が、
小説風に書かれているのです。
触感は、とてもしっとり、しっかりとしているのに、ふわふわで
さりげないのに、たくさんの愛情が詰まった人を笑顔にするお菓子です。
機会がありましたら、いかがでしょうか?