キッチンでフライパンを目線まで持ち上げて、表裏をくるり、くるりとテニスのラケットのように回しながら眺めていた。
軽くて使い勝手の良いテフロン加工のフライパン。
だけれども、私の扱い方が雑で、一般的な寿命を全うさせられず半年程でダメにしてしまうのだ。
目の前のフライパンも誤魔化しがきかなくなりつつあり、食材がピタッとくっつくようになってきている。
他に使っている鋳鉄ホーローのものや、中華鉄鍋を使えばいいのだけれど、使い勝手のお手軽さからつい手が伸びていた。
このフライパンも、そろそろだな。
そのような事を思いながらフライパンをコンロの上に静かに置いた。
いつもならば、すぐに新しいテフロン加工のフライパンに買い替えるところなのだけれど、
今回は、テフロン加工にするか、鉄製にするか、少々迷っている。
このテフロンという言葉は私たちの生活に浸透していますが、
実はこれ、アメリカのデュポン社の登録商標なのです。
ですから正確には「フッ素樹脂加工のフライパン」です。
このフッ素樹脂加工のフライパンを使うときには、誰もがご存知のとおり、いくつかの注意事項があります。
空焚きはしないこと。
余熱は中火以下で短時間に。
フォークや金属製のフライ返しはテフロンコートを傷めるので出来るだけ使用しない。
熱したフライパンに冷たいお水を注ぐなどして、フライパンに急な温度変化を与えてはダメ、といったようなことです。
だけれども、これらを気を付けながら使っていたとしても、
日々の調理によって加えられる熱と調味料の刺激などによって、2年前後で寿命がきてしまうのが一般的なのだとか。
寿命がきて食材が少々フライパンにくっついたとしても、
お料理の腕や経験値でカバーできる、と思いがちなのですが
テフロン加工は他にも注意事項があるのをご存知でしょうか?
一般的には小鳥などが死んでしまう「テフロン中毒」の例が有名でしょうか。
テフロン加工のフライパンは空焚きをすると有毒ガスが発生します。
これは人体にも害があるのですが、特に小鳥は敏感なので注意が必要なのです。
この有毒ガスは、テフロン加工のフライパンを5分以上火にかけて放置しないかぎり、有毒ガスは発生しないそうですが
今はホットプレートなどもテフロン加工されているものがありますよね。
食材が触れていないプレート部分は食事の間、ずっと空焚きの状態になっています。
有毒ガスは目には見えません。
家族でホットプレートメニューを楽しんでいたら、
飼っていた小鳥がぐったりしていた、という事例は多いようなのです。
ですから、体が小さいペットや赤ちゃんがいらっしゃるお宅は、
テフロン加工のフライパンの余熱は「中火で短時間」がポイントのようです。
このような事を知ってからも随分と長い間、
テフロン製のフライパンも欠かさず常備して使用しているのですが、買い替えの度に考えさせられています。
わりと短い期間で買い替え時期をむかえているという事を言い訳の盾にして、
今回もお手軽さを優先してしまいそうな気もしています。
お手軽さと、長期的に見た安心、安全とのバランスというものは、
時に判断が難しいものだなと思う今日この頃です。
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【みんなが笑顔で過ごせるように、自分にできることを考えてみませんか。】