駅へ向かう道すがら、季節の草花を楽しむことができる場所がある。
お花屋さんでは買うことができない、雑草として扱われることもある草花たちなのだけれども、
密集して咲いている所を目にすると、とても穏やかな気持ちになるのだ。
つい先日までは黄色いタンポポが咲き乱れていた。
そのタンポポがいつしか綿毛姿に変わり、少しずつ新しい世界へと旅立った後を譲り受けたのは、クローバー、シロツメクサの群れだった。
いい大人になったけれどシロツメクサの群れを見ると、つい四葉のクローバーを探してしまう。
そして、子どもの時よりも短時間で見つけられるようになったことに優越感を抱いたりなんかして。
相変わらずこのような道草をしてしまうものだから、待ち合わせの場所へ急ぐはめになる。
急ぎながらも私の思考はシロツメクサのいくつかの伝説を思い出し、伝説の世界を少しの間、浮遊する。
頭の中まで道草か、とそのような自分に少々呆れもするけれど仕方がない、これが私だ。
今回は、久しぶりに思い出したシロツメクサにまつわるお話を、
すこしばかりご紹介させていただきたいと思います。
ご存知のとおり、四つ葉のクローバー(シロツメクサ)は、世界中で幸運を招くラッキーモチーフとして大切にされています。
この言い伝えは、ヨーロッパの各地で古くから伝えられてきたものです。
ラッキーモチーフになっている事が頷けるお話のひとつにこのようなものがあります。
昔々、アダムとイヴがすごしていた楽園にあったクローバーは、全て四つ葉のクローバーだったのです。
そして、この楽園ではどのような願い事も叶い、楽しいことばかりに溢れている世界でした。
後に、アダムとイヴは楽園を追放されることになるのですが、
神様がこの楽園の思い出にとイヴの手にそっと四つ葉のクローバーを持たせたのだとか。
このようなエピソードから、神様からの贈り物である四つ葉のクローバーを見つける事ができると、楽園の力を分けてもらえるので、
願いが叶う、幸せが訪れると言われるようになったのです。
他にも、ヨーロッパに古くから在る物語などを読んでいると、
夏至の夜に摘んだクローバーには、悪魔よけの効果がある、薬草にできるなどという話もよく目にします。
また、四つ葉に限らずクローバーは古くから守護の力を持つ植物と言い伝えられており、
古代ケルト人達はお守りとして大切にしていました。
このお守りと幸運の両方の言い伝えをあらわしているかのようなエピソードのひとつに、あのナポレオンのエピソードも残されています。
馬にまたがり戦場を駆けていたナポレオンが、偶然にも四つ葉のクローバーを見つけたのだそう。
当時からお守りと幸運のモチーフだった四つ葉のクローバーに目を奪われたナポレオンは、
体を伏せさせるようにして四つ葉のクローバーに近づきました。
その瞬間に銃弾がナポレオンの体の上を通り過ぎ命を救われたのだとか。
このようにして、世界中で様々なエピソードが語り継がれています。
中には、四つ葉のクローバーを身につけていると、妖精を見ることができる、という可愛らしいものまであります。
ふっくら丸くて可愛らしい白い花を咲かせているクローバー(シロツメクサ)にまつわる様々なエピソードは、今も世界中で語り継がれています。
しかし、この四つ葉のクローバー、実は誰でもある仕掛けを施せば簡単に栽培することができるのです。
だけれども、私は、そのような無粋なことはやめて、純粋に楽しみたいと思っております。
と言う訳で、その仕掛けのお話は、いつぞやか機会がありましたら……。
皆さんも、クローバーを見つけたら四つ葉探しをしてみてはいかがでしょうか?
小さなハッピーが見つかりますように☆彡
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