幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

関わり方は様々だけれども、全ておかげさま。

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春の味覚のひとつ、タケノコ。

シャキシャキとした歯ごたえがたまらなく春だ。

今はほとんどの食材が年中食べられるような世の中だけれども、

やはり春の味覚は春に味わうに限る。

その日は、つやつやとした毛に覆われていて

根の部分の突起がきれいに並んでいる朝採れタケノコを頂いたので

仕事の合間にキッチンで下ごしらえをしていた。

実はこのタケノコ、神社生まれの神社育ち、神様からの御下がりなのだ。

 

自宅から徒歩30分圏内に、

時間ができるとお散歩がてら足を運んでいる神社がある。

駅前の賑やかな通りのすぐ先に大きな森のような場所があり、

その中にある神社だ。

この神社には、たくさんの猫たちが居る。

この森の中で暮らしている子たちと

社務所の中で暮らしている猫たち。

神社の鳥居をくぐって境内へ足を踏み入れると、どこからともなく案内猫が顔を出す。

1メートルほど先を歩く猫の後ろ姿を眺めながらついて行くと、

「おまえ、ちゃんとついて来いよ」

とでも言いたげな様子で猫は時折後ろを振り返り

私が付いてきているのかを確認する。

途中で何度か案内猫が入れ替わり参拝所まで連れて行ってくれる

私のお気に入りスポット。

 

お詣りが終わると駆け寄ってきてくれる

人間好きな猫としばらく戯れるのも私のちょっとした楽しみだ。

最近は、撫でてもいい?と尋ねるとゴロンと寝転がる姿にメロメロだ。

猫とじゃれ合っていると、

私たちの様子を少し離れた木陰から

家政婦の何とかさんのようにじーっと見つめてくる猫がいる。

目下のところ、猫社会を勉強中だというモモという名の猫だ。

モモは他の猫を警戒しているのか、なかなか寄ってはこない。

熱視線に負けた私は、モモの方へと歩み寄って話しかけると

少しだけピョンピョンと跳ねるようにしてやってきた。

「(始めから素直にそうすればいいのに……)」

私の心の声が届いてしまったようで軽くひっかかれた。

「ごめん、ごめん」

そう言いながら、随分と大きくなったモモをわしゃわしゃと撫でていると

今度はお掃除中だった宮司さんがやってきた。

挨拶を交わすと「後で社務所に寄って」。

「はーい」

何だかすっかり宮司さんともお友達(気分)だ。

何ごとかと思ったら冒頭の朝採れタケノコと、

御下がりのお神酒を分けてくださった。

時々、こうして御下がりを分けてくださるのだけれども、

とても有り難くて、心がほっこりと温かくなる瞬間だ。

 

タケノコご飯に、タケノコの木の芽焼きに、

次から次に頭の中に出てくる和洋折衷タケノコメニューから

明日はタケノコ尽くしメニューで宴になりそうな予感がした。

お鍋の湯の中でゆらっゆらっと揺れるタケノコを眺めながら

私の毎日は、たくさんの関わりや物事のおかげによって成り立っているのだと改めて。

直接、接点がある関わり方や直接的な接点がない関わり方など

関わり方は様々だけれども、全ておかげ様だ。

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