幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

お箸にも様々な想いを込めた日本人。

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世の中には様々な感性がある。

そのように思える出来事に遭遇する度に思うことがある。

人は周りと同じであろうとしてしまうことがあるけれど、

それはとても勿体ないことだな、と。

そして、自由に感じられることの喜びを噛みしめなおすのだ。

最近も、そう感じる出来事に遭遇した。

その時の話題は「割り箸」。

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世界中で日本食がブームになっている昨今、

日本人でなくとも「お箸」を上手に使う方は多い。

しかも、ある程度の日本食マナーというものにもある程度触れていらっしゃるようで

大きな粗相をされる方は少ないのだとか。

もちろん、少しばかりのたどたどしさは垣間見えるけれど、

日本食を日本スタイルで楽しもう、味わおうとしてくださっている姿として映る。

 

普段、「お箸」を使わない彼らから知人がこのような事を言われたのだそう。

「日本のお箸はとてもクールだね」と。

この時のお箸は、主に「割り箸」のこと指していたそうなのだけれども

知人は、その真意をすぐに理解できなかったのだとか。

私もその時の話を聞いて、頭の中にクエスチョンが浮かび上がった。

彼ら曰く割り箸は、

無駄が一切なく、軽くてとても機能的できれいに割る楽しみがある。

そして、お料理が滑りにくいため、落とさずに食べることができる。

また使い捨てなのにも関わらず、

割る必要がない滑らかに整えられたものまであり、

至れり尽くせりじゃないか、とのことらしい。

割り箸が、彼らの目にはそのように映るのだなと思った。

 

日本に割り箸が登場したのは江戸時代末期頃で、

酒樽の端材を使って作られたものが最初なのだそう。

使い回さないため清潔なものを使う事が出来る所が受け入れられて

明治時代に入るとより多くの人たちに使われるようになったようです。

 

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上の画像の上から順に補足しますと、

【元禄(げんろく)箸】

四方の角を切り落とし、割り易いように真ん中に「溝」を入れたもの。

お箸の先端の断面を見ると、八角形が2つ並んでいるように見えるのだけれども、

元禄時代に着物の模様として使われていた元禄模様に似ていたため、

その名が付いたのだとか。

 

【天削(てんそげ)箸】

お箸の持ち手側の片側を斜めにカットして木目をアピールしたお箸。

これは高級な木材の美しさを見せることで

おもてなしの気持ちを表しているのだそう。

もし、お客様をお招きする際にお箸を用意するのであれば、

天削箸をお出ししてみてはいかがでしょうか。

 

【利休(りきゅう)箸】

こちらは、その名からも分かる通り「千利休」が

お茶席でお客様をおもてなしする際に使われていたお箸の形です。

お箸の真ん中が一番太く、先端に向かって徐々に細くなっています。

少し、スタイリッシュな雰囲気のするお箸ですよね。

こちらは懐石用ではありますが、お客様のおもてなしにも使われています。

私は、天削箸よりもこちらをお客様様にお出しすることが多いです。

理由としては、ワタクシ、お箸を上手に割れない事が割と多いのです。

とても歪な恰好に割れてしまった時などは、

残念な気持ちに恥ずかしさがちょっぴりプラスされる上に地味に使い難いのです。

ですから、割る部分が少ないこちらをお客様にはお出ししています。

 

【小判(こばん)箸】

角をそぎ落とし、口に運んだ際のあたりを和らげたお箸です。

お箸の手元部分の切口が「小判型」に見える様子から名付けられたそうなのですが、

幅広いシーンで使う事の出来る一般的な割り箸です。

 

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【丸箸】

こちらのお箸は、皆さんもご存知のとおり、

割り箸ではなく二本一組の組箸です。

丁寧に両先端が丸く削られいます。

割らない、丸くおさめる、などの縁起を担いでいるお箸なので

お正月や、お祝の席で使われます。

そして、両先端が使える丸箸(祝箸)は、神様と一緒に食事をする意味もあります。

※気になられました方は過去記事をどうぞ。

 

知人がこのような割り箸の用途や意味合いを

冒頭の外国人の方にお話したところ、

日本人の気配りの繊細さに感心していたのだそう。

私自身は自分が扱いやすくて取り揃えておきやすいお箸に厳選して、

お客様用、お祝い用、普段用くらいの使い分けをするくらいで

たくさんあるお箸の名前を完璧に覚えているわけでも

知っているわけでもない。

だけれども、当たり前のように触れている「割り箸」の中にも

日本人の日本人らしさがあるのだな、

と外国人の方の感性を通して感じた出来事でした。

お箸に限らず、当たり前の中にはキラッと輝く何かしらが在るのかもしれません。

 

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