大人になると予測できない突然の出来事にも冷静に対応しなくてはならないシーンというものがあります。
今回は、そのようなシーンのひとつ、ブラックフォーマルシーン(弔事)の装いを確認しておきませんか?
弔事では、おしゃれの感度を着こなしの基準にできません。
格式の高いシチュエーションや特に礼節に厳しいお家柄でなければ、近年では昔とは違いブラックフォーマルの基準が緩くなってきてはいますが、それでも、大人の女性として押さえておかなくていけないルールというものはあります。
どのような時でも、その場に相応しい服装を慌てず選んで、必要に応じて臨機応変に対応したいものです。
弔問にうかがう際の服装は、親族でない限り、基本的には手持ちの黒い服で代用できますが、黒であれば何でも良いというわけではありません。
【服装はどうしたらいい?】
黒無地のスーツ、ワンピース、アンサンブルなどを着用しましょう。
最近ではちょっとしたお食事会やパーティー、普段でも着まわせるようなシンプルなデザインのものもあります。
新調される場合は、その辺りも考慮して選ばれると良いのではないでしょうか。
また、伸縮性があってシワになりにくく、体のお肉を拾いにくいポンチ生地(ポンチ・ローマ)などは、生地の厚さ、織り方によっては3シーズン着用できたりもしますので、そのような視点から選ぶのもひとつの手です。
その時のスカート丈は膝が隠れるものを選ぶことも忘れずに。
インナーは、カットソーやニットはNGですので、シンプルな黒いシャツブラウスのようなものがあるといいでしょう。
シンプルなものであれば、アクセサリーやボトムス、アウターなどで華やかさやアクセントをつければ、普段からお食事会でも着まわすこともできます。
夏場でも基本は長袖で、避けたいデザインは、透ける素材や襟元が大きく開くようなデザイン、ミニスカートなど、肌を露出させるようなものです。
冬場にコートを着用する場合は動物の革素材や毛皮、ファーの付いたものはNGです。
フェイクファーだとしてもNGです。
季節ごとに黒のウールコートや、黒のトレンチコート、黒のノーカラーコートのような
黒いシンプルなブラックアウターがあると、普段も着用でき、もしも、と言う時にも役立ちます。
【靴や小物類のポイントは?】
靴は黒くてシンプルなものを用意しておきましょう。
ストラップ、金具がついているものやエナメル、爬虫類などの皮革製、ブーティーも避けましょう。
ヒールは低めが好ましいく3センチ~5センチ以下が一般的だと言われています。
ストッキングはもちろん必須で、黒を着用するのが一般的ですが、お通夜は「突然のことで、とりあえず駆けつけてきました」という意味合いをもたせるために、肌色を選ぶ方もいらっしゃいます。
この辺りは、臨機応変に対応されると良いと思います。
アクセサリーは、結婚指輪以外のアクセサリーは外しましょう。
結婚指輪に石がついている場合は、石が付いている方を手のひら側に回して石が表に出ないように配慮するとスマートかと。
真珠は涙を表すジュエリーなので、シーンを選ばずに身に着けることができます。
パールの一連ネックレス、あるいはイヤリング(ピアス)のどちらかだけならば付けてもOKですが一般的にはネックレスのみの方が好ましいように思います。
パールの一連ネックレスの長さは40センチ前後が基本で、ネックレスは、二連、三連になっているものや形が歪なものはNGです。
【髪の毛やメイク、ネイルは?】
髪型は、できるだけすっきりとさせましょう。
メイクは薄めに。急な場合は口紅やチークなどを落とすなどして調節しましょう。
ネイルはマニキュアであれば除光液シートなどですぐに落とすことができますが、ジェルネイルをしてもらったばかり、という場合はすぐに落とすことができませんよね。
そのような時は黒のレースの手袋を。
とはいうものの、お焼香の時やお茶をお出ししたり、出していただいたり、という場面では手袋を外さなくてはいけません。
華やかなジェルネイルをされることが多い方は、自分でもすぐに落とすことができるようなアイテムを準備しておいたり、手順を一度確認しておくことをおすすめします。
落とす時間がない場合は、ネイル用コンシーラーというものがあります。
こちらは塗った後は剥がすだけなので元のネイルを無駄にせずにすみます。
ネイルを楽しむ機会のある方は、ブラックフォーマルなシーン以外でも使用する機会もあるかと思いますので準備しておかれてもいいのではないでしょうか。
若いお嬢さんであれば、不慣れであることもわかりますし、周りの方を見て真似したりしながら覚えていくこともあるかと思います。
だけれども、こちらへ足を運んで下さっている大人レディの皆さんは、「真似をされる側、見られる側、相談を受ける側」だと思います。
基本をしっかりと知っていれば自分や周りに対して機転を利かせた対応をとることができます。
きっと皆さん既にご存知のことばかりだとは思うのですが、改めて確認の場にしていただいたり、専用のシューズやバッグの状態を確認しておく機会になれば、と思います。
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