どこのお宅からだろう。
爽やかな風と共に風鈴の涼やかな音色が我が家へ届いた。
実家を出て一人暮らしを始めたあの日から、風鈴を吊るすこともないまま大人になったのだと気が付いた。
風鈴の始まりは、中国で魔除けのアイテムとして家に吊り下げられていた鐘なのだそう。
日本には様々な素材でできた風鈴がありますが、代表的なものと言ったら涼し気で可愛らしいガラス製のガラス風鈴、
ビードロ風鈴と呼ばれることもある江戸風鈴や南部鉄器で作られた渋くて深い味わいのある南部風鈴でしょうか。
他にも陶器製のものや貝殻、竹で作られた風鈴もありますね。
風鈴の音色は涼やかさと癒しを、ゆらゆらと風に揺らいでいる様は視覚的な癒しを、私たちに届けてくれますが、科学的視点から見ても心と体への癒しの効果が認められています。
私たちは小鳥のさえずりや小川のせせらぎ音、たき火のパチパチ音や雨音など、自然界にある音を聞くと癒されますが、
これらには3000ヘルツ以上の高周波音が含まれているという共通点があるそうです。
この3000ヘルツ以上の高周波音には、脳内のストレスを減らしたり、抑えたりする効果や、思考を活性化させたり、人の心をアクティブにしたりといった効果があります。
この高周波が風鈴の音にも含まれているため、私たちは風鈴の音で心身ともに癒されるのだそうです。
そして、私たち人間の生体リズムや自然界には1/fという揺らぎがあるといいます。
この1/fという揺らぎは、私たちの心臓の鼓動や神経伝達など、人の体内にも存在しているのだそう。
風鈴は風に乗ってゆらゆらと揺らぎますが、この揺らぎを眺めていると脳がリラックスしているときに出すα波という脳波を引き起こし、
体内のリズムも揺らぎに共鳴して神経を正常なリズムに整えてくれるので、眺めているだけで視覚的な癒しまで得られ、脳内がリフレッシュするのです。
癒しやリフレッシュ効果は誰でもが得ることができるようなのですが、風鈴の音を聞いて涼しいと感じるのは、脳が風鈴の音を聞いて涼しさを想像することができる、風鈴に慣れ親しんだ経験がある人だけなのだそう。
ですから、外国人や風鈴の音を聞かずに育った人は「涼しい」という感覚が起きにくいようです。
風鈴の音を想像して涼やかなイメージが浮かびますか?
浮かぶ方は実際に風鈴の音を聞くと、実際の体温が少し下がるのだそうですよ。
夏の風物詩と言われている風鈴ですが、風鈴の音につられて夏がやってきているのかもしれませんね。
今年の夏はあなたの思い出のBGMに風鈴の音、いかがでしょうか?
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/