日本には縁起担ぎの風習や言葉がたくさんありますが、
海外の方々と交流をしていると、これは日本に限ったことではなく
海外にも日本と同じようにたくさんあるのだと感じる場面が多数あります。
こちらでラッキーモチーフについてお話をさせていただいたことがあるのですが、
文化も歴史も異なる世界中の国々で同じモチーフを
ラッキーモチーフとして大切にしていますし、
伝説や神話の世界を覗いてみてもストーリーの入り口が同じであったりもします。
例えば、日本では「神様は木に宿る」と言い伝えられてきたことが
様々な書物の中に書き記されているのですが、
古代ヨーロッパでも、同じように神様は木に宿ると言われていたのだそうです。
私はイギリスで、ある老夫婦にこのお話しと共に、
あるおまじないを教えていただいたことがあります。
今回は、そのお話しを少し。
することはひとつ、木をノックするだけです。
大自然の中の木でも良いですし、
家の中にある木製のも、テーブルやドアなどでも良いのですがノックします。
どのような時に、どのようにノックをするのかといいますと、
何かお願い事がある場合は、木に触れながら願い事を口にしつつ、
優しくコンコンと2回木をノックします。
そのお願いが叶ったらその木をコンと優しく1回ノックします。
1回のノックは、日本で言うところのお礼詣りですね。
幸運が続いているときは、
不幸を寄せ付けないためにコンコンと2回ノックします。
また、ネガティブなことを発言してしまったとき、
不吉なことを想像してしまったときなどにも、
木製のものをコンコンと2回ノックします。
これはネガティブな発言や不吉なことを払い除けるのだそうです。
木を2回ノックするのは幸運を招いたり、幸運を続かせたり、
邪気を祓ったり、魔除けとなるようで、ヨーロッパでは親しまれています。
海外生活中にこのようなことがありました。
知人とテーブルを挟んで向かい合わせてお茶をしていたときのこと。
彼女が珍しくちょっとした愚痴をこぼしたのです。
その後、おもむろにコンコンとテーブルをノックしたのです。
あまりにも自然な動作だったため、
私はその動作がおまじないなのか測りかねて、おまじないなのか尋ねてみたのです。
すると、愚痴をこぼしてしまったから、このノックでクリーンにするのだと
少し照れた笑みを浮かべて答えました。
洋画などを観ていると、時々、そのようなシーンが出てくることがあります。
映画の中のワンシーンでは、その動作に対して説明もありませんし、
字幕に注釈が出るわけでもありませんので、
つい意識を止めずに流し観てしまいます。
この動作の意味を知っていると、登場人物の心打ちをよりリアル感じられる動作でもあります。
木の神様にネガティブな言葉や思いを祓ってもらうもよし、
お願い事を聴いてもらうもよし、
幸運を続かせるためにノックするもよし、
洋画をより深く楽しむための知識とするもよし、
あなたの用途に合わせてKnock on Wood(木をノックする)を使ってみてくださいませ。