幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

年齢を書き記すとき、「歳」と「才」どちらを使用していますか?

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私には公的文書に氏名などを記入する時に思い出す出来事がある。

それは、ほやっほやの社会人なりたての頃の出来事だ。

右も左も分からず見るもの触れるもの、その全ての経験が新鮮で刺激的で

悪戦苦闘しながらも楽しく充実した日々を送っていたあの頃。

私はデスクで公的文書に自分の氏名や生年月日などを記入していた。

そんな私の前を通りかかった上司が私の書類を覗き込んで、

このような事を問いかけてきた。

年を記入する時に「歳」と「才」どちらをどう使うか知ってる?と。

どちらも使うことができると思っているけれど、何かルールがあるのだろうか。と

私は上司と文書を交互に見ながら、

思いついた事を思いつくまま挙げた記憶がある。

当時の私が何を挙げたのかは、もう覚えていないのだけれども

あの時のやり取りは今も私の知識として私の中に残っている。

 

公用文を作成する時や公的文書に記入する時、

簡単に言うと「正式な書類」と言われるようなものに記入するシーンではでは、

「才」ではなく「歳」を使用するのが大人のたしなみなのです。

どちらでも通じますし使い手の好みなのでは?と思ってしまいがちですが、

「才」と「歳」の文字は、それぞれ異なる意味を持っています。

 

「才」は、天才、才能とった言葉にも使われていることからも分かるように

その人自身が生まれながらにして持っている能力の意味を含んでいます。

一方、「歳」は、月日の流れ「年」の意味を含んだ感じです。

始まりは、稲穂を刈り取るまでの時間の流れを意味していたそうで、

そこから「一年」を表すようになり、

平安時代には既に年齢を表す漢字として使われていたのです。

 

例えば、お歳暮、歳末セールといった言葉に使われていますが、

どちらも同じものを表す「才」と「歳」だからといって、

お才暮、才末セールという風に「才」と「歳」を入れ替えたとしたら、

誰もが間違いだと分かりますよね。

この2つの文字は、年齢を表すときにだけ入れ替えても意味が通じるもので

「歳」を簡単に書き記すために「才」が代用されているのです。

 

文化庁では、このような漢字のルールを定めたりもしているのですが、

一般社会での認知度や定着具合から

年齢を表す場合に限って「歳」を「才」と記しても良いとしています。

テレビなどに字幕を出す場合、

「歳」よりも「才」を使った方が見やすいですしメモ書きする際には時間短縮にもなります。

ただ、これらは正式なシーンではないから「才」を使用しても問題なし、

という判断からのようです。

 

公的文書を発行する側でなければ、

どちらを使ったとしても間違いという訳ではなく、

ある程度は使い手が自由に選んで使い分けることができる「才」と「歳」ですが、

大人のたしなみとして使い分けられるとちょっぴり粋だと思いませんか?

世の中には、大人レディに年齢を記入させるなんて野暮だわと思うようなシーンもありますが、

そのような時は、サラリと大人の余裕を「歳」の文字で。

そして私たちの心は永遠にエイジレス!

大人レディの皆さん、今日もキラキラッと輝いてまいりましょ。

 

画像出典:https://jp.pinterest.com/