しばらく、家の中に缶詰の日々が続いていた。
したいことをしているはずなのに何かに圧迫されているように感じる日々。
その「何か」に薄々気付きかけていたけれど、
とりあえず、その時はそれに蓋をしてみたりして。
どこかのタイミングで自分自身を軌道修正しなくては、
そう思うのだけれども、そのタイミングすら掴み損ねていた。
人生はいくつになっても修行だとはよく言ったものだ。
まさに、次から次に目の前に現れる様々な課題にいつだって悪戦苦闘。
それだけ伸びしろがあるということだろう、
と自分を過大評価して気分を盛り上げようとしてみたけれど、その日は作戦失敗。
「ワタクシジュウショウデゴザイマス」
壊れかけのロボット並みの片言が口から漏れ出て、そんな自分を少し笑った。
緊張の糸がピンッと張られたままの状態が続くと時々このような事が起こる。
余裕の無い私と、どこか冷めた目で冷静に状況を分析する私が脳内で混ざり合う。
どちらも私だけれど、この日は前者が優勢だった。
頼みの綱であるお気楽な私はバカンスにでも出かけたのか、
それとも何処かで息をひそめて静観しているのか、
なかなか現れてはくれなかった。
それならばと冷凍庫から買い置きしておいた「白くま」なるアイスを取り出して
余裕の無い自分へと差し出した。
優しい甘さが妙に心に沁みた気がした。
このような時でも、アイスを丁寧に味わっている自分はまだまだ大丈夫。
今度はそう言って自分を励ましてみたりもして。
そこに、メッセージを知らせるお道化たメロディーがスマートフォンから聞こえた。
お行儀が悪いけれどスプーンを口に加えたまま、画面を操作する。
同じように缶詰状態で作業を行っている面々のメッセージは、
私の脳内そのものだった。
皆同じなのだ。
余裕が無くなってしまうと自分の中の小さな世界に閉じこもってしまうことがある。
だけれども、本当はその世界さえも外と繋がっているのだろう。
よし!重症だと思っていたけれど、もう少し進めそうだ。
そのような事を思いながら、残りの白くまをパクパクっと口へ運んで
少し先のゴールに自分へのご褒美を置き、再始動のスイッチを入れた。
今、余裕を無くしかけている素敵レディがいらっしゃいましたら、
ちょっとひと息ついてみてくださいね。
元気が全て無くなってしまう前に、ひと息つく勇気を振り絞ってみてください。
頑張るのはいいけれど焦る気持ちは、すこし横に置いて、深呼吸、深呼吸。
目の前の空気をお腹いっぱい吸い込んで、
体の中の余裕の無さを空気と一緒にふーっと吐き出して。
自分へのご褒美を準備して、また深呼吸、深呼吸。
大丈夫、復活はすぐそばまで来ているはずだから。
あなたのペースで大丈夫。
今日のあなたが笑顔でありますように☆彡