先日、何やら外が賑わっているような気がしてベランダへ出た。
湿度をしっかりと含んだ熱気が一瞬にして私の体を包み込み
冷房でキュッと閉じていた毛穴が一気に開くような感覚になった。
そして、陽気な盆踊りのメロディーと、はしゃぐ子供たちの声が耳に届いた。
皆さんも既に夏祭りや花火大会、盆踊り大会など楽しまれましたでしょうか?
最近では洗濯機で洗える浴衣も多いため
以前よりも幅広い年齢層の方々が気楽に浴衣を楽しめるようになったように感じます。
今回は主に夏のイベント時に着用した浴衣のお手入れについて
皆さんと一緒におさらいさせていただければと思います。
【自宅で浴衣を洗うためのチェックポイントと手順】
【1】まずは、お手持ちの浴衣がお洗濯可能かどうか洗濯表示のタグを確認しましょう。仕立てられた状態で購入した浴衣であれば素材や洗濯表示タグが付いている場合があります。その表示に従ってお洗濯をします。綿表示の浴衣であればお洋服と同じでお洗濯可能ですが、麻が使われている浴衣や絞り加工が施されている浴衣、反物の染め方などが特殊な高級浴衣などは着用後は、ひと晩、汗などの湿気を取り除いた後、速やかにクリーニング店へお洗濯をお任せしましょう。
【2】浴衣は色落ちしやすい物が多いので、目立たない場所を使って色落ちの確認をします。白っぽいタオルを水で湿らせて浴衣の色が濃い部分を軽くたたきます。この時、帯で隠れてしまう胴周りや、おはしょりで見えなくなる部分で試すと良いと思います。※おはしょりというのは、女性の和服ですと着る人に着丈を合わせる為に、腰の位置で布地を折って腰紐を結んで調整します。その作業や部位をおはしょりと呼びます。簡単に色が移ってしまうようであればクリーニング店にお任せしましょう。
【3】洗えることが確認できたら浴衣の襟部分を木綿糸でずれないように仮止め(しつけ縫い)をします。仮止め(しつけ縫い)は、玉止めをせずに間隔を大きめにとって縫いお洗濯後に糸を引き抜きます。どうしてこのような事をするのかと言いますと、襟部分は生地を何枚か重ねたり、襟芯を入れることで厚みを出し、襟がしっかりと立つように仕立てられています。これがお洗濯時によれたり、ずれたりしないように現状維持するための策です。お洋服と同じで襟がシャンッとしていると浴衣姿も引き締まり、はんなり具合が増しますので襟部分のひと手間を忘れずに。
【4】浴衣はたっぷりのお水で1枚ずつ丁寧に洗います。洗面台にたっぷりのお水をはり、おしゃれ着洗剤を溶かしいれます。きちんと折り畳んだ浴衣をネットに入れて洗面台に沈め水が繊維の隅々まで行き渡るように手早く押し洗いをします。浴衣の中の空気を抜くようなイメージでじわーっ、じわーっと優しく押しましょう。お水が浴衣に行き渡ったら、水の中で2、3度浴衣を揺らし、洗剤を溶かしたお水を捨てます。
【5】きれいなお水を洗面台にたっぷりとはり、【4】の要領で手早くすすぎます。【5-必要に応じて】ここからはお好みになりますが、私は生地劣化を最小限に抑えたいため、柔軟剤を溶かしたお水を浴衣に行き渡らせて軽くすすぎ、その後、糊付け洗剤も使用します。
【6】ネットのまま30秒ほど脱水をしたら着物用のハンガーか物干し竿に直接袖を通すかして干します。干す際に、シワを伸ばしておきましょう。私は浴室内で乾かしますが、外に干される方は陰干しをし、日光による色褪せにもご注意ください。浴衣は裏返しある程度乾いたら室内で乾かしきることをお勧め致します。
【7】乾きましたら洗濯タグをチェックしあて布をしてアイロンをかけてください。気になるシワなどはスチーマーを使うと便利です。収納する際には浴衣が完全に乾ききっていることを確認し、防虫剤もお忘れなく。
幸せのレシピ集では、お洋服のお手入れ方法をアイテムごとにご紹介していますが、
共通して使えるアイテムや、チェックポイント、手順などが見えてくると、
クリーニングに出すべきものと自分でケア出来るものとの区別がつくようになります。
そして、必要以上に生地を傷めずに済むため、
お気に入りのお洋服を長く楽しめます。
すぐに生活のお役に立てるお話しばかりではないかもしれませんが、
皆さんがピンチの時に、何かしらのヒントになれたら幸いです。
浴衣を着て楽しめるお祭りも少しずつ減ってくる頃です。
楽しめる機会がありましたら、思いっきり夏を満喫してくださいませ。
画像出典:https://jp.pinterest.com/
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