そろそろ秋の七草を楽しむ季節がやってきました。
春の七草は七草粥などにして食しますが、秋の七草はご存知の通り、愛でて秋を感じながら楽しみます。
秋に七草があることは知っているけれど、どのようなお花が秋の七草なのか尋ねられると、なかなか答えられないのではないでしょうか。
私は数年前まで、とても曖昧な記憶だったのですが、五・七・五・七・七のリズムに合わせて口ずさむと覚えやすいという事を知り、
半信半疑のまま口ずさんでいたところ、いつの間にか口が覚えてしまっておりました。
興味のある方は、順番は下記のとおりですので、五・七・五・七・七のリズムにご自分でメロディーなどつけつつ覚えてみてくださいませ。
『ハギ・キキョウ♪ // クズ・フジバカマ / オミナエシ♪ //オバナ・ナデシコ / 秋の七草~♪』
私たちが知る秋の七草は、秋に咲く野花から、萩、桔梗、葛、藤袴、女郎花、尾花、撫子の7つが選ばれています。
秋に咲く素敵な野花は他にもたくさんあるはずなのに、どうしてこの7つを秋の七草と呼ぶようになったのだと思いますか?
これは、1200年も前に編集された和歌集、万葉集にある、山上憶良(やまのうえのおくら)の和歌からきていると言われております。
彼は奈良時代の万葉歌人でした。
この時代には様々な恋歌や目にした景色の歌が多く、和歌の形式に沿うことに重点を置いた歌が詠まれていたのですが、彼が詠む歌は少し異なっておりました。
山上憶良(やまのうえのおくら)が詠む歌には、世の中の貧しい人たちの心の声や、子どもを思う気持ち、老いていくことへの苦しさ、もどかしさなど、人の心の深部が描かれています。
心の深部に触れる歌だったからなのか、人々の生活に寄り添うような歌だったからなのかは定かではありませんが、読んだ人の深部を刺激したのでしょう。
彼が詠んだ歌の中に出てくる秋の野花が秋の七草とされ親しまれるようになり、今の私たちにまで伝え継がれております。
1200年以上も前から在る七草たち、そのように思ってみると不思議な気分になりますね。
和歌の中で朝貌という植物がでてきます。
これは朝顔のことではないか?という説もあるのですが、今のところ、桔梗が最も有力説であるようです。
昔は一歩外に出れば、このような秋の七草を簡単に目にすることができたのでしょうけれど、現代を生きる私たちにとっては珍しい草花になってしまっております。
もし、フラワーショップやドライブ先、テレビやインターネット、お散歩途中やご自宅のお庭などで目にする機会がありましたら、1200年以上も前の人々も同じ花を目にしていたのだと思い出してみてくださいませ。
また、幸せのレシピ集ではフラワーセラピーのタイトルの元、少しずつ簡単にではありますが、それぞれのお花が持っている効果などをフラワーセラピー目線、カラーセラピー目線、陰陽道目線、花言葉目線、お花が持っている歴史や伝説なども交えつつ、自由な組み合わせでお花を楽しめるよう、ご紹介させていただいています。
秋の七草も、様々な視点で愛でてみてはいかがでしょう。
知識が増えることは楽しいことですし、見ている世界、知っていた世界に深みや厚みが増します。
だけれども、一番大切なことは自分の感性で自由に感じてみることで、正解も不正解もありません。
そこに、ちょっとしたスパイスを振りかけられたのなら、日常を自分らしく楽しむことができるような気が致します。
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