世界中を見渡してみたとき、
日本人ほど多くの呼び名を持っている人はなかなか居ないのではないだろうか、と思う。
皆さんは、周りの人たちからどのような呼ばれ方をしていますか?
どのような呼ばれ方をされたことがありますか?
名字、名前、仕事やプライベートでの多種多様な肩書き、あだ名、
職業で呼ばれることもあるかもしれませんね。
このように、意外と多くの呼ばれ方を経験されてきたのではないでしょうか。
そして、呼ばれるだけでなく自分自身でも関った相手のことを
様々なシチュエーションに合った呼び分けをされているのではないでしょうか。
どうして、そのような話?と言われてしまいそうなのですが、
先日、日本語を勉強し始めたという知人の知り合いから呼び名に関する質問を受けたのです。
私が日本人だから、という理由で投げかけられた質問だったのですが、
ハッとしたのです。
英語であれば、親密度によって呼び名が増えることはあれど基本は、
親密度に関係なく、Youや名前を使っていれば問題はありありません。
敬意を払うべきシーンや払いたいシーンでは、
敬称+苗字か名前で呼べば良く、とてもシンプルです。
しかし、日本語はどうでしょう。
「さん」、「くん」、「ちゃん」、「○○さんの奥さん」、「○○ちゃんのママ」、
「先輩」、「社長」、「部長」、「課長」、「先生」、「看護師さん」……まだまだたくさんありますよね。
同じ相手であったとしても礼節を重んじるシチュエーションであれば、
普段とは違う呼び方をする場合もあります。
このように相手との関係性やシチュエーションによって呼び方が多種多様な上に、
使い分けまでする日本語は、
外国の方から見ると、とても不思議な言語、難しい言語に映るようです。
初対面だからこそ、これから親しくしたいという気持ちを込めて
敬称を付けずに名前で呼びたいのだけれど、
日本ではタブーなんでしょ?どうして?
と尋ねられた私は言葉に詰まりました。
初対面では、そのような対応が失礼にあたることもあるから、
まずは丁寧に敬称を付けた方が無難だということ自体、日本人的感覚なのです。
私の拙い英語を駆使して説明してみるも、
腑に落ちていない様子がありありと伝わってくる上に、
日本人にとっては当たり前すぎる使い分けなので、
上手く説明できない自分に対してヤキモキしてしまいました。
すると、その方がこのようなことを発したのです。
「日本語を理解するには、言葉だけ知ってもだめなんだね。
言葉の奥にある文化を理解しないといけないのか、
なんて繊細な国なんだ、益々興味が湧いてきた。」と。
日本語は相手の呼び名ひとつとっても難しく、興味深いもののようです。
私にとっては、呼び名というものはここまで掘り下げられることができるものだったのか、
と目から鱗が落ちた出来事でした。
当たり前になりすぎていて気付かないことも多いものですが、
私たちは無意識のうちに複雑なことをやって退けているようですね。
真面目で向上心があって頑張り屋さんは自分に厳しくなってしまいがちで
今日は何もできなかった、などと思うこともあるけれど、
何もできなかったように感じられた日だって、
色々とやって退けているものですよ。
どのような今日も、「私、頑張った!!」そのような言葉を自分にかけてあげてくださいませ。
明日はもっとキラッと輝けるような気がいたします。