本日、「読書気分で要点だけをつまみ食い」のタイトルの元、
招き猫のお話をさせていただいたのですが、
そのお話のキッカケをつくってくれた見ず知らずの外国人観光客の彼。
彼のスタイルを元に本日2つめのお話をさせていただこうと思っております。
見ず知らずの外国人観光客の彼から覗く、もうひとつの世界とでも題しておきましょうか。
お時間ありましたら、お付き合いくださいませ。
招き猫の姿をした鈴に続きまして、
またしても旅慣れている(いそうに見える)彼の背中のリュックサックにフォーカスしてみます。
日本では、このようなバッグのことを「リュックサック」と表現することが多いのですが、
「リュックサック」というこの言葉、実はドイツ語なのです。
英語圏で通じないという訳ではないのですけれど、
リュックサックと言えば本格的な山登り装備のひとつのリュックサックを指しているだけでなく、
ツウ用語と言いますか、専門的な用語として扱われています。
わたくし、外国暮らしをしていた時にこの言葉を通して経験したエピソードがあるのです。
おしゃれなファッションアイテムを取り扱っていると話題のショップへ
4~5人ほどでお買い物へ行った時のことでございます。
店内へ入るなり皆のテンションが一気にあがり、
おしゃれな空間を満喫したり、試着をしたりと、
まぁ女性によくある状況がそこにもありました。
目に留まった洒落たリュックサック手に、友人たちを手招きしました。
いいね、素敵ね、と口々に言う中、「え、今何て言った?」と言われます。
お察しの通り、わたくし、「このリュックさ……」と発したのです。
「ダメ、ダメ、ダメ。その言い方カッコ悪すぎる、イケてない」などと言われまして、キョトン顔です。
何かどうダメで、何がカッコ悪いのか見当もつかなかったのです。
思いついたと言えば、イントネーションが違ったのかしら?くらいでした。
その時に初めてリュックサックがドイツ語であり、
山登り専用の丈夫な袋型の入れ物のことを指す専門用語であること知り、
しかも正しくは「リュックザック」なのだとも知り、
私がリュック(リュックサック)と呼んでいるものは「バックパック」と呼ぶのかと知ったのです。
あれから長い月日が経ちました。
近頃は日本でもおしゃれタイプをバックパックと表記しているショップも見かけますが、
日本の知名度、イメージはというと、まだまだ、おしゃれなものは「リュック(リュックサック)」、
カジュアルなスポーツタイプのものや山登り用、ハードな旅行用は「バックパック」
と呼ばれているように感じているのですが、皆さんの体感はいかがでしょうか。
私の場合、テンションが上がっているショッピング中に、
次々にダメ出しにも似た指摘を受けたことがキッカケとなり、
その日以降、この手のバッグを日本国内で呼ぶとき、書き記すとき、
少しだけ頭の中で「この場面ではどちら?」という確認作業が入るようになっております。
若かりしときに浴びる「かっこ悪い」「イケてない」の言葉の威力たるや……。
日本には日本人的な共通認識というものもありますし、
大らかな気持ちで言うならば、
リュックだろうが、リュックサックだろうが、リュックザックだろうが、バックパックだろうが、
間違えたところで命までとられやしないのですけれど。
知らないことを知るって面白い。
そのような気持ちで皆さんの雑学ボックスにこのお話を加えていただけましたら、
あの日の私が言葉の呪縛から解放されるような、そのような気が致します。
本日も最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございます。
今日も皆さんと皆さんの大切な方々が笑顔でありますように☆彡