キッチンに立つと、どうしてこうも「摘み食い」に走ってしまうのでしょうか。
しばらくすれば、思いっきり食べられるというのに
ひと口、もうひと口と手が伸びてしまいます。
その時はサラダの準備をしておりまして、
ベビーリーフに貝割れ大根やブロッコリーのスプラウトなど、
幸せのレシピ集でもお馴染みのレスキューベジタブルを
ボウルの中でわっしゃわっしゃと混ぜておりました。
水滴をまとったみずみずしいお野菜の色香に負けベビーリーフをひと摘み。
今が旬である春菊の香りが口の中に広がりました。
春菊と言えば少々クセのある香りと苦みが苦手だとう方も多いのですが、
皆さんはいかがでしょうか?
お鍋料理で召し上がることが多いかもしれませんが、
サラダやお浸し、天ぷらに和え物と、
意外にも様々な調理方法、味付けで楽しむことができる葉物野菜です。
ある時、友人たちとお鍋料理を堪能していたときのこと。
春菊嫌いの一人が、こんなにも香りと苦みが強いもの誰が食べ始めたのだろうと言い出しました。
食べ物の成分や由来に長けた別の友人の話では、
もとは地中海沿岸地域の植物で、
現地では、あのクセのある香りと苦みがネックとなり
食用ではなく鑑賞用として親しまれていたものがアジア圏に伝わり
食用として親しまれるようになったとのことでした。
春菊に含まれている成分はとても魅力的なものばかり。
春菊を食べる習慣のある私たちは地中海沿岸地域の方よりも
美容と健康をフォローしてくれる心強い味方がいるように思います。
春菊の旬は3月頃まででもうしばらく楽しめますので、
冬の美肌づくり、健康づくりとして、
普段よりも少しだけ意識して召し上がってみてはいかがでしょうか?
春菊は魅力的な栄養素をたくさん含んでいるのですが、
全てをお伝えしてしまっては特徴がぼやけてしまいますし、覚えるのも大変です。
今回は、春菊が得意としている効果をもたらす栄養素2つに絞ってお伝えさせていただきます。
|βカロテンが豊富らしいけれど、どのような効果があるのかしら?
まずひとつめは、βカロテンです。
この栄養素は春菊を生で食べても摂取できますが、
茹でることでβカロテンが倍になり効率よく補給することができます。
そして、このβカロテンは抗酸化作用があるのですが、
抗酸化作用があるということは、病気や老化原因となる活性酸素の発生を抑えますので、
免疫力アップ、がん予防、動脈硬化予防、粘膜やお肌の修復など
年齢を問わず今の自分に欲しい、未来の自分に欲しいと思う効果を
同時に効率よく得ることができます。
ただ、召し上がる際の注意ポイントがあります。
加熱しすぎてしまうと他の栄養素などが失われてしまいますので、
「サッと茹でる、サッと熱を加える」がポイントになるお野菜です。
|カリウムも豊富らしいけれど、どのような効果があるのかしら?
βカロテンがメインとなる春菊なのですが、
カリウムの含有量はお野菜の中でもトップクラスに入ります。
幸せのレシピ集ではこの栄養素もお馴染みになっていますが、
カリウムは体内の余分な塩分を排出するように促してくれます。
その結果、浮腫みを取り除き、血圧も下げてくれますので高血圧予防にも力をかしてくれます。
ただ、カリウムを摂取したい場合にも注意ポイントがあります。
カリウムは茹でることで溶け出てしまうためカリウムを摂取したい時は、
サラダなど生で食べる方が効率よく摂取できます。
|ん?茹でる?生で食べた方がいいの?どっち?
より多く摂取したい栄養素によって調理方法が異なるので、まとめておきましょうね。
とにかく細胞を元気にしたい、美容も健康もまるごと底上げしたいという場合は、
さっと茹でた状態、さっと火を通した状態で召し上がってみて下さいませ。
外食が続いたわ、味の濃いものを食べ過ぎている気がする、
体が浮腫んでいるの、塩分を摂りすぎたから血圧が高くなるのが心配、
といったようなことをケアしたい場合は、
葉っぱが柔らかく生で食べられる状態のものをサラダで召し上がってみてくださいませ。
このように欲しい効果をしっかりと狙って調理方法を変えてもいいですが、
これを覚えるのも、ちょっと大変だという場合は、
あまり深く考えずに熱を加えたり、サラダとして生で食べてみたり、
その日の気分で調理方法を変えて楽しんでみてはいかがでしょう。
ご家族皆さんで、後々体に表れるであろう嬉しい効果を楽しみにしながら
召し上がっていただける冬野菜の春菊は今が旬です。
今晩あたり、食卓にいかがでしょうか。
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