外吹く風はまだまだ冬の冷たさを含んでいるのだけれど、
陽射しの中には少しずつ春の色と匂いが混じり始めたように感じたある日。
私は、風の冷たさにつられて真冬のコートに袖を通した。
真冬のコートだけあって体はぬっくぬく、寒さなどどこ吹く風といった様子で外を闊歩していた。
ふと柔らかな陽射しを浴びる真冬のコートに視線を落とすと、
私の出番もあと僅かのようねと言われたような気がした。
確かに、真冬のコートは少しずつ、色合いや質感が重たく感じられつつあった。
季節の狭間で、春を待ちわびる気持ちと過行く冬への淋しさとが入り混じりる様は
四季を持つ国ならではの贅沢な感情のようにも思えた。
このお気に入りのコートは今シーズン、あと何回着ることができるだろうか。
そのような事を思いながらマンションのエントランスへ足を踏み入れた。
ポストを開けると何通かの封書の中に少し厚みのある一通があった。
移動しながら差出人の名を確認すると遠方に住んでいる友人の名があった。
メールやSNSといった連絡ツールが各種豊富であるにも関わらず、
こうして時々、不意打ちで封書を送ってきてくれる友人だ。
しかも、ハードスケジュールが続いている時を狙っているかのようなタイミングで
癒しを届けてくれるのだから有難い。
今回の封書は明らかに何かが同梱されているのだけれど、
封の外側からの感触では推測すらできなった。
部屋へ入るなりコートも脱がずに友人からの手紙の封を切った。
入っていた便箋には
「たまには美味しいペンに持ち替えてみてはどうでしょう」
という一行のみが書かれていた。
同封されていたものを開けた瞬間、ニヤケてしまった。
入っていたのは「ゆかりペン」だったのだ。
皆さんは「ゆかりペン」、正式な商品名は「ゆかり®ペンスタイル」をご存知でしょうか。※下三島食品株式会社
キャラ弁などを作られたことがあるママさん方はご存知なのかもしれませんね。
スーパーのふりかけコーナーにある、赤しそふりかけの『ゆかり』が、
ペン型容器に入れられてた遊び心ある商品です。
中身は『ゆかり』なので、炊き立てごはんに振りかけたり、
ご飯に混ぜ込んで赤しそのおにぎりにしたり、
その他、調味料として使うことができるのですが、
ペン型容器に入っているのでお弁当と一緒に持ち運ぶことまでできてしまうのです。
遊び心ある贈り物にテンションが上がっているのですが、
何だか使うのがもったいない気がして眺めてはニヤニヤしています。
せっかくペン型の容器に入っているのだから、
使い始めは真っ白いご飯の上に何か描きたいと思っているのですが、
星型、ハート型、名前だろうかと決めることができぬまま時間が過ぎております。
皆さんも日常に、ちょっとした遊び心をトッピングしてみてはいかがでしょうか。
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