明け方まで作業をしていたせか、せっかくの休日だというのに、お日様が程よく昇った頃、もぞもぞとベッドの中から抜け出した。
上がりきらない血圧が整うのを待つ間、リビングのソファーでお気に入りのブランケットに包まりながら白湯をひと口、またひと口とすすった。
ふと、前夜に食べたカプレーゼに使ったバジルが大量に残っていることを思い出した。
このバジルの存在を思い出した時点で既に、その日のランチはジェノベーゼパスタに決まっていたように思う。
キッチンに立ちバジルの葉を一枚、また一枚と摘み取る度に広がるバジルの香り。
ほんのり甘くて爽やかなそれは、バジル好きにはたまらない。
バジルの葉、炒った松の実、ニンニク、塩、その日の冷蔵庫内にあったチーズから数種類、オリーブオイルを準備ができた順にプロセッサーに入れていく。
骨折り作業の大半をフードプロセッサーにお任せするのだから、もしや私は助手という立ち位置だろうかと、くだらない思考回路は健在だった。
今回は、ジェノベーゼソースを作りながら思いだバジルにちなんだお話を少し、と思っております。
お時間がありましたら、お好きなお飲み物片手に、のんびりとお付き合いくださいませ。
私にとってバジル(主にスイートバジル)は美味しい食材というだけの存在だったのですが、数年前に習っていたヨガを通して、バジルの食材以外の顔を知る機会があったのです。
まずは、バジルの花言葉を知り、改めて、バジルにも花が咲くということに気付かされました。
花言葉はどれも素敵で前向きな言葉ばかりだったように記憶しているのですが、その中でも印象に残っている言葉が「高貴」というもの。
ギリシャ語には「王」という意味を持つ「バジレウス/バジリコス」という言葉があるのですが、ここから、この植物に「バジル」と名付けられたそう。
どうしてバジルと王が繋げられたのか?
その時代、王様や貴族たちが好んでバジルを使っており、その用途もアロマオイルとして、香料として、お薬としてといった具合に様々。
彼らが幅広いシーンで重宝がっていたこともあり、この植物と「王」が繋がったようです。
そして、花言葉は神話や当時の人々の生活が反映されているのですが、バジルは高貴な方々の必須アイテムだったことから「高貴」という花言葉を持つに至っております。
そして、バジルには私たちが主に食用として使っているスイートバジルの他にも、ホーリーバジルという名のものもあるのですが、ホーリーバジルはヨガが発祥したインドでは、神様に捧げる神聖なハーブとされているのだそう。
バジルは「神聖」という花言葉も持っているのですが、このような背景が花言葉の中に残されているようですね。
バジルと言えば、美味しくて香りの良いハーブ。くらいに思っていたのですけれど、王だ貴族だと聞かされ「(実は華々しい過去をお持ちだったのね)」と思いながらヨガのポーズを作っていたあの日を思い出しておりました。
人は見かけによらないと申しますが、植物も食材も然り。
バジルを召し上がる際には是非、王様気分で召し上がれ。
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