幸せのレシピ集

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笑いも色々、その表現の真の姿をご存知ですか?|爆笑と失笑編 

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皆さんは日常の中で「爆笑」、「失笑」という言葉を使うことはありますか?

私は、この2つの言葉を使うとき、耳にするとき、意識がキュッと小さく反応します。

「言葉は生きている」とお話させていただくことが多いのですが、

この言葉たちにも生命力のようなものを感じるのです。

 

と言いますのも、正しい使い方や意味というものを持っているのですが、

日本語の使い手である私たちの多くが誤った使い方をしてきているため、

その間違いが少しずつグレーゾーンに突入しはじめているのです。

 

まずは、「爆笑」という言葉。

とても面白いことがあり、お腹を抱えて笑ってしまったときのような状況を

「爆笑」と表現しているかと思うのですが、

その状況で爆笑している人の人数を思い浮かべることはありますか?

本来「爆笑」というのは、大勢の人たちが一緒に、同じタイミングで笑う様子を表しているので、

自分だけがお腹を抱えて笑った状況のことは「爆笑」とは言えないのです。

正しく表現するならば、「1人でお腹を抱えて笑った、1人で大笑いした」となります。

 

「失笑」という言葉も、笑えないような雰囲気や呆れた様子、乾いたリアクションとしての笑い、

といったイメージやニュアンスを含ませて使われていることが多いのですが、実は誤用。

本来は、「笑ってはいけないと分かっていたにも関わらず笑ってしまった」

というようなシチュエーションを表しております。

 

漢字から意味を読み取ろうとする日本人は、

「失笑は笑いを失うと書くのに、どうして?」と考えてしまいますが

「失(しつ・うしなう)」という漢字は「あやまち、おちど」という意味も持っているのです。

そう思ってもう一度見直して見ると、

「笑ってはいけないと分かっていたのに、誤って笑ってしまった」

という失笑が持つ本来の意味が浮かび上がってくるかと思います。

 

最近、どこが出している辞書だったか覚えていないのですが、

言葉の誤用も補足として紹介されておりました。

そのうち、誤用率が高い「爆笑」や「失笑」という言葉の間違った意味も

正式に認められる時が来るのかもしれません。

 

知っていても知らなくても日常に支障はないかもしれないのですが、

小説などをよく読まれる方はこのような視点をもっていると、

作品の世界をよりリアルに感じることができたり、

作者の意図に触れることができたり、と楽しむポイントが広がります。

日常生活の中で話し相手がどちらの表現を使ったのかを知ることで

相手の何かに気付いてあげられることがあるかもしれません。

お子さんがいらっしゃる方は、

お子さんから投げかけられる素朴な疑問にも軽やかに対処できるでしょうね。

どれもささやかではありますが、知ったからこそ見える何かが特典として日常に表れます。

 

言葉は生きているだけではなく使い手の想いも乗せて運びます。

ですから、誤用したとしても相手には伝えたい想いが伝わることも多々あります。

そのようなことを思うと、私たちは不思議なものを日々扱っているのだなと思ったりもして。

国語の試験を受けなくてはいけない年齢ではないワタクシ達オトナは、

正しい意味とも、グレーゾーンの表現とも、上手なお付き合いをしていきたいものですね。

あなたの知識ボックスの片隅に忍ばせていただけましたら嬉しいです。

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