細心の注意を払っているにも関わらず、説明のつかない当時の欠片と不意に出あってしまうことが私にはある。
先日もそうだった。
どうして、あの時の私はこれを買ってしまったのだろう。
少しだけ年代を感じさせるパッケージの中で仁王立ちしている小さなダース・ベイダーを見て思った。
ダース・ベイダーとは、ジョージ・ルーカス監督の作品スター・ウォーズに登場する
全身黒尽くめのキャラクターである。
好きな作品のひとつではあるのだけれど、ダース・ベイダーの熱狂的なファンというわけではない。
「そなたになんぞ恋などしておらぬ」というのに、
脳内では彼のテーマソングである「帝国のマーチ」と、
シューというあの特徴ある呼吸音が鳴り響くのだから我ながら困ったものだ。
価値が上がるかもしれないといった邪な理由で所持したのか、
よくよく見れば細部まで計算されているフォルムの出来に当時の私は感動したのか、
今回もまた理由は覚えていないのだけれども、何らかの理由で私の元にあることに違いはない。
ここで眠らせておくくらいならダース・ベイダー好きだと言っていた知人に譲ろう。
その方が、彼も幸せだろう、と知人の顔が頭に浮かび、ダース・ベイダーの画像と共に連絡を入れた。
そう言えば皆さんはダース・ベイダーのマスクは、戦国武将である伊達政宗の兜が参考にされていると言われている。
時々、ダース・ベイダーのキャラクターモデルは伊達政宗だと耳にすることがあるけれど、
正確には、伊達政宗が使用していたと言われている黒漆の兜を参考に、マスクが作られたようだ。
伊達政宗の兜以外にも他国の様々なモチーフを参考にされているという。
伊達政宗の兜は仙台市博物館所蔵のものなので、
足を運ばれた際にはダース・ベイダーと見比べて楽しんでみてはいかがだろうか。
私の手元にあったダース・ベイダーはと言うと、それからすぐにエアーパッキンで厳重に梱包し、
彼に魅了され続けている知人の元へと旅立っていった。
いつの間にか価値が上がっていた代物だったようで大変恐縮されてしまった。
ほんの少しだけ、惜しいことをしたかしら?などと思ってもみたのだけれど、
こういうものは愛してくれるべき人の元で過ごすに限る、と思うのだ。
ダース・ベイダーや伊達政宗に触れる機会がありましたら、
ダース・ベイダーのマスクと伊達政宗の兜のエピソードをチラリと思い出していただけましたら幸いです。
関連リンク:仙台市博物館