私たちは時間という共通のものを使って生活をしておりますが、
その感じ方は十人十色だと思うのです。
わたくし、子どもの頃に「ゆっくりでいいわよ」と母親に言われ、
自分のペースでゆっくりとしていたのですが、
「それは、ゆっくりしすぎ」と言われることが多々ありまして、
子どもながらに戸惑ったものでございます。
これは、相手が変わっても、大人になってからも、あまり変わらないのですが、
気付けば、相手が使う「ゆっくり」や「急ぎ」の塩梅から判断する、
という小技を身に付けておりました。
このように、人によって感じ方が異なる「時間」ですが、
大人と子どもでも感じ方に随分と開きがあると思うのです。
歳を重ねる度に1年が過ぎ去る速度が速くなっているように感じる、あの感覚です。
実はこの体感時間が早くなる感覚をフランスのある心理学者が法則として説明しているのです。
今回は、体感時間のお話を少し、と思っております。
ご興味ありましたら、少しお付き合いくださいませ。
Wikipediaにも記載されているのですが、
フランスの心理学者の著書にある例をお借りして説明しますと、
50歳の大人にとって1年の長さは人生の50分の1程だけれども、
5歳の子どもにとっての1年は人生の5分の1に相当すると言うのです。
これをもう少し分かりやすく置き換えると、
50歳の大人にとっての10年間は、5歳の子どもにとっての1年間に当たり、
5歳の子どもの1日は、50歳の大人の10日に当たるという計算になります。
5歳の子どもの1日が50歳の10日と同等だと数値化して言われると、
あの感覚ね、と頷きつつも複雑な気持ちになるのではないでしょうか。
このような説明をフランスのピエール・ジャネさんという心理学者が行ったのです。
そして、歳を重ねる度に1年が過ぎ去る速度が速くなっているように感じる心理現象は、
ジャネーの法則(ジャネの法則とも)と呼ばれるようになりました。
だけれども、時間は自分の感じ方次第なのではないかと思うのです。
もちろん、大人になれば経験値もそれなりに積んでいますので、
子どもの頃のように何もかもが「初めての経験」とはいかず、
ジャネーの法則(ジャネの法則とも)も実際に体感するようになります。
ですが、退屈な話を聞かなくてはいけない時は時間の経過を遅いと感じ、
楽しい時間はあっという間に過ぎたように感じることもあるのではないでしょうか。
集中力が増している時は沢山の作業を短時間で済ますことができ、
そのような時は、体感としては5時間くらい経ったかしら?と感じて時計を見てみるのだけれど、
実際には1時間しか経っていなかったというようなことだって珍しいことではないですよね。
ですから、その時々の時間の濃さを決めるのは年齢に関係なく、
私たち、個々に委ねられているように思うのです。
いくつになっても、どんなに歳を重ねても、どのような過ごし方をしたとしても、
自分自身が「悔いなしっ!」と思うことができる時間を重ねていきたいと思う今日この頃です。
あなたは、どのような1日を過ごしますか。
どのような1日を過ごしましたか?
今日も自分が「悔いなしっ!」と思える時間を重ねたいものですね。
関連リンク:Wikipedia