デスクで使用している大きな書き込み型のカレンダーの月が変わると、
見慣れた風景にほんの少し、新しい風が吹いたような気が致します。
月が変わる度に、「日本くらいだろう。カレンダーに、4月、卯月、Aprilと並べられるのは」と、
飽きもせず思っております。
和風月名は、旧暦に合わせ今の季節感とは少しばかりズレが生じはするものの、
その時々に感じることができる風景を様々な視点で切り取っておりますので、
先人たちの感性を月名を通して共有できるように思います。
一方、英語表記の月名の中には勇ましい視点やエピソードもあり、
そのギャップから国民性や時代背景など様々なものごとを考えさせられることもあります。
そのようなこともあってなのでしょうけれど、
「たかが月名、されど月名」そのような文言が浮かんだりも致します。
そのような中、英語表記の月名の中でも、華やかな印象のある月が4月なのです。
皆さんも耳慣れているであろうギリシア神話に登場する
アフロディーテ(Aphrodite)という名の女神。
彼女が4月(エイプリル/April)の月名の由来だと言われているのをご存知でしょうか。
アフロディーテ(Aphrodite)は、愛と美と豊穣(と豊饒)を司る女神で、
春を象徴すると言われておりますが、
西洋の先人たちは、春という美しい季節の夜空に浮かぶ月は、
愛と美と豊穣(と豊饒)を司る女神・アフロディーテにこそ相応しいと考えたのでしょうね。
エイプリル/ April(4月)は、
“美しい春の月を美の女神アフロディーテ(Aphrodite)に捧げる月である”
としたことが起源だと言われております。
ですから、アフロディーテ(Aphrodite)と(April)は似たスペルをしているようです。
ただ、彼女についてもう少し深く掘り下げてみますと、
彼女には戦の女神としての顔がありまして、
やはり英語表記には勇ましさが潜んでいるね、とワタクシはこっそり思っております。
先に英語月名に触れましたが、和風月名との間にも共通点があります。
アフロディーテが豊穣(と豊饒)を司り、4月を象徴しているように、
和風月名の「卯月(うづき)」の「卯」には「産」や「初」の意味が含まれておりまして、
春夏秋冬の始まりの春や、草木が芽吹き、豊穣に繋がることを表しているという説があります。
同じように豊穣に繋がる稲の苗を植える月ということで由来は「植月(うつき)」であるという説も。
複数ある説の中でも最も有力だと言われているのは、
「卯の花が咲く月」だから「卯月(うづき)」というもの。
月名とは関係ありませんが、私は卯の花と聞くと「おから」を連想しておりました。
ある時、何かしらの関係があるのではないかと思い調べてみたところ、
卯の花は、空木(うつぎ)という名の植物に咲く白くて小さな花のことで、
この小さな花がたくさん咲いている様子が「おから」にいているため、
「おから」のことを「卯の花」と呼ぶようになったということでした。
国内外に様々な名付け方があり、名付けられた時代も人種も様々ではありますが、
単純に4番目の月ということだから「4月」としていないところや、
いずれの説にも春らしい華やかさや、
ものごとの始まりや成長が含まれている点は興味深いものですね。
どこに住んでいようとも、
どの時代を生きていようとも、
人種が違っても、性別が違っても、
根っこの部分は、みんなおなじ、ひとつなのかもしれません。