時間を忘れてPCに向かっていた。
ひと区切りついたところでふーっと息を吐いて、
椅子の背もたれに全体重を預けるようにして背中を反らせたまま天井を仰いだ。
我が家の天井の壁紙は、このような表情をしていたのか、と今更ながら思う。
反らせている背中を滞っていた血液が巡り始め、
心なしか全中がポカポカと温かくなってきているような気がした。
イナバウアーか映画マトリックスの銃弾を避けるあのシーンか、
と言ってもいいくらい、楽そうには見えない体勢ではあったけれど、
あまりにも気持ちよかったものだから、「(あぁ、しばらくこのまま動けないな)」、
そのようなことを思いながら、天井の壁紙を眺めていた。
そう言えば鍼灸医にこのような話をきいたことがある。
美顔鍼の依頼が年々増えているそうなのだけれど、
改善希望に「顎のたるみの解消」を挙げる方が多いのだそう。
少し前までは年齢を重ねた女性の悩みだったけれど、
現在は食生活やスマートフォンの影響によって顎がたるみやすい環境が整ってしまい、
年代を問わず悩みの一つになっているのだと。
顎がたるむ理由は、体重の増加や、
リンパの流れが悪くなっていることも原因だけれども、
顎の奥の方にある筋力の低下や、その周辺のコリも理由のひとつなのだそう。
様々な理由でお顔のお肉が下がっていき、
下がってきたお肉が最終的に辿り着くところが顎。
顎の奥の方に潜んでいる筋肉が下がってきたお肉をしっかりと受け止めることができれば、
顎のたるみは、それほど気にせずに済み、
たるみケアのマッサージやアイテムなどを利用されている方は、
それらの効きもグッと上がり、効果も持続しやすいのだという。
では、どのようにして顎の奥の筋肉を鍛えるのか。
お顔や首回りの血の巡りをストレッチやマッサージで良くしたあとコリをほぐします。
場所は、口角の位置から、まっすぐ顎の位置まで下がった顎と首の境目です。
親指を当てて優しくグリグリと押すようにマッサージをしてほぐします。
少し痛いと感じる方は、肩や首と同じように顎の筋肉もこっています。
次は、天井を見るように顎を前に突き出して、首を後ろに倒します。
ゆっくりと、口の形を確かめながら「あ、い、う、え、お」と声に出します。
これを気が付いた時に行っていると地味に効いてきて、
たるみや二重顎のケアになるといいます。
私は顔周りが浮腫みにくくなっている実感があります。
私たちが毎日話す日本語は、この顎の奥にある筋肉をあまり使わない言語なので
外国の方と比べると、顎のたるみや二重顎は日本人に多い症状だと聞く。
また、柔らかい食感のものが好まれる傾向にあり、
噛む回数が減ったことも、
あごのたるみや二重顎の出来やすい原因のひとつのようだ。
いささか妙な見栄えではあるけれど、
私は、思い出しついでに、天井を眺めながらア行から順に声を発した。
しっかりと発音しようと思うと、
顎と喉の間の奥がプルプルとしているような感覚になる。
こっているし、筋力が落ちているのだろう。
だけれども、プルプルするということは効いている証拠でもある。
何ごとも1日にして成らず、ということだ。
皆さんも、スキマ時間に気持ちよく顎の奥をほぐして筋力アップ、してみてはいかがでしょうか。