用事を済ませた帰り道、近所にある小さなオーガニックショップを覗いた。
産声をあげたばかりのお店ということもあり、品数はそう多くはないのだけれど、
丁寧に選ばれたものが並んでいることが伝わってくるようなお店だ。
レモン果汁を購入するつもりで立ち寄ったのだけれども、
この日は品切れだったため、代わりにじゃばら果汁を購入して帰ることにした。
「じゃばら」とは、「邪気祓い」から名付けられた果実で「柚子」や「かぼす」など柑橘類の仲間。
酸味のあとにくる優しい苦みが特徴だ。
果汁は炭酸やお酒で割って飲んだり、ドレッシングに使ったり、アイスクリームにかけたり、
お料理のアクセントとしてなど、レモン果汁と同じような用途で使うことができる。
果汁以外にはポン酢やジャムやお菓子、入浴剤など幅広く加工されている。
じゃばら果汁には抗アレルギー作用があると言われていることもあり、
花粉が飛び交う季節になると各種メディアで取り上げられる果実でもある。
今となっては、多くの方が1度は見聞きしたことがあるであろう「じゃばら」だけれども、
もとは、ある1人の村人の敷地内に1本だけ自生していた
世界で類を見ない新種の果実だということをご存知でしょうか。
「じゃばら」の原木の持ち主でもある和歌山県東牟婁郡北山村の福田国三さんが
「へんなみかんが育つ。でもそれが独特の味で美味い」と、
子供から慣れ親しんでいる味を多くの人に広めようと立ち上がったのが
「じゃばら」の歴史のスタートなのだそう。
しかし、当初は注目してくれる人もおらず思うように広がらなかったと言います。
それでも、福田さんは「じゃばら」を広めることをあきらめず活動を続けていたところ、
昭和46年から活動が実を結び始め、現在に至ります。
もしも、福田さんが活動をあきらめてしまっていたら、
私たちは世界で類を見ない新種の果実である「じゃばら」を知ることも
味わうことも無かったのです。
この「じゃばら」、香りもお味も良い上に
花粉症やアトピーなどのアレルギーにも嬉しい効果がある以外にも
シミ、シワ、ガンなど、体全体に表れる老化の原因である活性酸素を除去してくれる
抗酸化作用もあることが発表され、年々、人気が右肩上がりです。
柑橘類がお嫌いでなければ、
世界で類を見ない新種の果実の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
※果実の収穫は11月頃ということですが様々な加工品は年中楽しむことができます。
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