ありがたいことに焼き海苔をいただいた。
そして、再び、ありがたいことに焼き海苔をいただいた。
このようなことが続くことがある。
お腹にたまるものではないけれど、一度に使う量はそう多くはない。
日に日に増える我が家の焼き海苔たちは、
いつの間にか消費してもらうための順番待ちの列をなしていた。
今回は、焼き海苔の保存方法や焼き海苔の第二の人生など、
直ぐには口にしてもらえない焼き海苔の行方のお話を少し、と思っております。
お時間がありましたら、ちらりと覗いていってくださいませ。
焼き海苔をお料理に使ったはいいけれど、
中途半端に残ってしまった海苔は、あっという間に湿気てしまい、
残念な思いをされたことがある方も多いのではないでしょうか。
海苔は常温保存をすることができる食材だけれども、
冷蔵保存や冷凍保存に比べると湿気るのが早いため、
海苔にとって最適な方法で保存し、出来るだけ早めに食べきるのがおすすめだ。
と私に力強く言い放ったのは、いつぞやかのデパートの催事場で、
少々、いやかなり強引に引き留められた海苔屋の店主。
それまでは何となく保存していた海苔だったけれど、
その店主の言葉をきっかけに、
それまでよりも海苔を気に掛けるようになったような気がしております。
最近の海苔は、食べ切ることができなくても
密封できるタイプの袋に入っていることが多いけれど、
この状態では早々に湿気るのだそう。
だから、まずは元から入っていた袋をしっかりと密封し、
これを更にジッパーのついた保存用の袋に乾燥剤と一緒に入れると良いのだそう。
これは、缶に入った海苔も一緒なのだそう。
開封前の状態であれば海苔の劣化を遅らせることができるけれど、
一度開封してしまったら、見た目ほどの気密性は期待できないため、
開封後はジッパー付きの保存用袋に乾燥剤と一緒にいれることがお約束なのだそう。
この状態のものを湿度が低い冷蔵庫か冷凍庫で保存するのが一番良いとのことなのですが、
注意しなくてはいけないポイントは、
保存している海苔を使うときには、
密封状態のまま海苔が常温に戻るのを待ってから封をあける点と言います。
冷蔵庫や冷凍庫の中で低温になったままの海苔をすぐに外気にさらすと、
乾燥していた海苔が空気中の水分を一気に吸収してしまい、
あっという間に、ふにゃふにゃっとした海苔になり、味も食感も落ちるのだそう。
冷蔵保存、冷凍保存をしていた海苔を使う際には、
慌てずゆっくり、海苔を常温に馴染ませてから開封してくださいませ。
ただ、冷蔵庫や冷凍庫で長期保存ができるとは言え、
海苔の風味や香りなどは少しずつ落ちていきますので残念な思いをすることも多いもの。
巷には風味を復活させる技も溢れておりますが、
我が家では海苔屋の店主のアドバイスから
直ぐに食べ切ることができないであろう海苔は、
ごはんのお供や、調味料としても重宝する海苔佃煮にすることにしております。
レシピはネット上でも様々な味付けのものが公開されておりますが、
私は、焼き海苔を細かくカットし、
お水、お醤油、みりん、ハチミツ、お酒、めんつゆを使って煮込み、
煮汁が無くなるまで煮詰めております。
これは海苔佃煮のベースですので、
ここに、梅や紫蘇、ネギやゴマなどの薬味食材を少々加えて
バリエーションを楽しむこともできます。
加工してしまうと消費期限は短くなりますが、意外とご飯がすすみ、
あっという間に海苔たちが旅立っていきます。
市販されている海苔の佃煮の塩分が気になる方は、
塩分控えめの佃煮を作ることができる点もポイントかと思います。
そのような訳で、我が家で消費されるのを待っている焼き海苔を、
そろそろ美味しく調理しようかしら、と思っている今日この頃でございます。
もし、消費しきれずに残っている焼き海苔がありましたら、
あなた好みの味付け、塩加減でホームメイドの海苔佃煮を楽しんでみてはいかがでしょう。
当たり前の日常に、ほんの少し新しさを加えつつ、
日々の暮らしを丁寧に重ねていくのも良いものです。