幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

たい焼きで時間旅行。

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近所にサクッとした食感のクロワッサン生地が特徴のたい焼き専門店があるのです。

以前は、昔ながらのたい焼きと、

冷やして食べるたい焼きを売っていたはずなのだけれども……。と思いつつ、

クロワッサン生地の上に垂らされたキャラメルソースの甘い香りに後ろ髪を引かれながら

私は、お店の前を通り過ぎました。

 

たい焼きは、明治時代に江戸にあった、ある和菓子屋で生まれたお菓子なのだそう。

もともと、その和菓子屋では、今川焼きを売っていたようなのですが、

今川焼きの売れ行きが思わしくなかったため、

店主は今川焼の型に亀の甲羅模様を使ってみたのだといいます。

しかし、残念なことに、こちらも当たらなかったため、それならば、これでどうだ!と

鯛の形で焼き上げてみたところ、

これが大ヒット商品となり、日本中に広がり現在に至ります。

 

当時から鯛は縁起物として人気があったそうですが、

本物の鯛は、庶民が簡単に手にすることが難しい高級魚。

いわば、憧れの魚です。

同じ鯛は鯛でも、魚とお菓子では随分と味が異なるのですが、

「たい焼き」という形で憧れの鯛を味わえるなんて、と

「おめでたいもの」や「縁起物」好きな日本人の心は、

店主に、いや、たい焼きにしっかりと掴まれたということなのでしょう。

今では、外側の生地も、中身もバリエーションが豊富で

その日の気分で和風、洋風などを選ぶこともでき私たちを楽しませてくれています。

そのようなことを思っていたら、何だか無性にたい焼きが食べたくなり、

私は、たい焼き店へと引き返すことにしました。

 

今の私たちは縁起を担いでたい焼きを買う、ということは少ないと思うのですが、

お祝いごとなどに鯛料理が並ぶと、やはり「おめでたい」気分になるのではないででしょうか。

日本人の鯛好きは今に始まったことではないのです。

縄文時代の貝塚から鯛の骨が発見されており、

既にこの時代から日本人は鯛を食していたといいます。

鯛と日本人は随分と長いお付き合いを重ねてきているのです。

そう思うと、DNAにも何らかの情報が組み込まれていても

おかしくないような気さえしてきます。

 

歴史上の人物で鯛絡みのエピソードがある人と言えば、徳川家康でしょうね。

彼の死因の真偽は定かではなく、いくつかの説があるのですが、

最もよく語られているのは、鯛の天ぷらを食べて食あたりを起こしたから、というもの。

鯛の骨が喉に詰まってという俗説もあったでしょうか。

このようなエピソードが消えることはないのですが、

現在の死因の定説では、徳川家康の病状を記した徳川実記というものに記された

当時の彼の症状から胃がんではないかと言われいます。

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「あの徳川家康も、鯛だけでなく、たい焼きも食べていたのだろうか。

さすがにクロワッサン生地のたい焼きや、

たい焼きの中にパフェが入ったものは知らなかったでしょうけれど。」

そのようなことを思いながら甘い香りをまとった、たい焼きをいただいた。

何かしらの「鯛」に触れる機会がありましたら、

今回のお話しをちらりと思い出していただけましたら幸いです。

ここへ足を運んで下さった皆さんの1日が良き日となりますように☆彡

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