眠い目をこすりながらベッドからキッチンへと移動した。
少し前までは、真っ先にリビングとキッチンの窓を開け、
微動だにせずにそこに居座っている、
暑さで重苦しくなった空気を追い出すことが最優先事項だったはずなのに、
キッチンへ直行した自分の無意識に感心した。
日に日に、至る所に秋の気配だ。
きっと、もう一か月も経てば、「寒い」などと言い出すであろう自分を想像し、
今年も相変わらずなのだろうと思った。
暑いときには「暑い」と、寒いときには「寒い」と、
自由気ままに言えるのも、小さな小さな幸せなのだと思う。
朝食の準備をしながら、毎日の日課である常温のレモン水を、
ぐびぐびっとグラス1杯飲み干した。
ふと、前夜に食べ切ることができなかったお餅のスイーツに目がとまった。
ひと晩経ったけれど、もっちり柔肌のお餅のスイーツと
既にお餅の表面がかぴっと乾きヒビが入っているそれが仲良く並んでいた。
両者共にもっちり柔肌だったはずなのに、
ひと晩で片方は玉手箱を開けてしまった浦島太郎のような姿に変わり果てていた。
美しいうちに食べてあげられなかったことを申し訳ないと
確かに思ったはずなのだけれども、
私の脳内は直ぐに「さすがお砂糖効果!」と叫んでいた。
お餅は冷めると硬くなるものだけれども、
中には数日経っているにも関わらず柔らかい食感を保っているものがある。
お餅を使ったスイーツを注意してみてると、
時間が経っても柔らかさを保つことが出来ているお餅には、お砂糖が含まれていることが多い。
以前、お砂糖スクラブを使ったお肌ケアのお話をさせていただいたときに、
お砂糖の保湿効果に触れたけれど、
その保湿効果を最も想像できるのは甘いお餅ではないかと思うのだ。
お餅が柔らかさを保っているということは、
お砂糖がお餅の水分を摂り込んで逃さずにいる証拠であるのと同時に、
お砂糖がお餅の水分を摂り込んでしまうため、
細菌が増えにくく、保水性以外でも良いコンディションを保てるのだ。
思わず朝食の準備そっちのけで、
見るからに柔肌を維持したままのお餅を指先で押してみた。
今晩辺り、シュガースクラブで夏疲れしたお肌を労わろうかしら。
そうすんなりと思ってしまうくらい、いい肌触りだった。
甘いお餅のスイーツを召し上がる機会がありましたら、
甘いだけではない、お砂糖のチカラをチラリ思い出していただけましたら幸いです。
関連記事: