友人からの電話に出ると挨拶もそこそこ、「まつ毛ダニって知ってる?」と尋ねられた。
「顔ダニなら知ってるけれど、それとは別?」
「別」
そう言って話を続けた友人は、ここ数か月間ほど、目の痒みが治まらなかったのだそう。
そして、長引く痒みに耐え切れずに行った眼科で“まつ毛ダニ”の存在を知ったというのだ。
幸い、友人の目の周りに、その“まつ毛ダニ”とやらは居なかったけれど、
“まつ毛ダニ”という存在を知り、知りたてホヤホヤの情報を私に提供してくれたのだ。
今回は、この“まつ毛ダニ”のお話を少し、と思っております。
“まつ毛ダニ”とは、私たちのまつ毛や目のそばの毛穴に棲みつくダニのことで、
正式名称はデモデックスと言い、顔ダニの一種なのだそう。
この“まつ毛ダニ”がまつ毛や毛穴に棲みついたときに表れる症状は、
目のかゆみ、充血、乾燥、ゴロゴロするような違和感や、
まつ毛が抜けて、まつ毛のボリュームが減ってきているように感じる、といったものが多いという。
過去に話題になった顔ダニは誰の顔にも存在しているけれど、
この“まつ毛ダニ”は、目の周りに“まつ毛ダニ”のエサになるような
皮脂やメイク汚れが残っていなければ棲みつくことはないのだとか。
しかし、生命力が強いダニで、一度棲みついてしまうと簡単に退治することはできず、
眼科医のもとで長期間の治療が必要になるという。
“まつ毛ダニ”を棲みつかせない具体的な対処方は、
マスカラやアイシャドウ、アイライナーなどを使ったアイメイクや
目の周りのファンデーションなどは、しっかりとクレンジングで落とすこと。
開封後、時間が経過しすぎているような古いアイメイクコスメやアイシャドウチップ、
ファンデーションやスポンジなどは使わないこと。
これらが挙げられることが多いため、
アイメイクをあまりしない方は「私には関係ない」と思われがちなのだけれども、
メイクの有無に関係なく気を付ける必要があるのが“まつ毛ダニ”だ。
私たちの目のふちにはマイボーム腺というものがある。
これは、涙の成分を分泌したり、瞬きをする度に眼の表面に薄い皮脂膜を作り、
目を乾燥から保護してくれている。
しかし、マイボーム腺は年齢と共に代謝が落ち、
一度分泌した皮脂が毛穴などに詰まることがあるのだそう。
そして、これからの季節は屋外で過ごす際に皮脂が冷気によって固まってしまうことも。
マイボーム腺が詰まるとダニが住処にしてしまうので、
メイククレンジングで丁寧にケアをする以外にも、
ホットタオルで目元を温めたり、入浴時に閉じた瞳を温まった手のひらで優しく覆って、
マイボーム腺から出た皮脂を毛穴に詰まらせないないようにケアすることも必要なのだそう。
うっかり“まつ毛ダニ”に寝床を提供してしまわぬよう、
目元のケアは優しく丁寧に念入りに。
今夜は湯船にゆったりと浸かって体を温めながら、目の周りも温めてみてはいかがでしょうか。
寒い冬もキラっと潤いある瞳でまいりましょ。