今日もまた、飽きもせずに日が落ちる前の昼と夜のあわいの景色を楽しみながら、
冬の空の凛とした空気を全身で感じる。
すぐに脳内劇場の幕が開く私にとってそれは、
自分の気持ちを、すーっと、あるべき場所へ誘ってくれるようなものでもある。
時々、お茶の時間がもったいない。
そんな優雅な時間を作れるほど暇じゃない。
そのような声を耳にする。
そう感じる日が全く無いわけではないのだけれど、
私個人は、そのようなときこそ一杯のお茶を味わいたいし、
そうでなくてもお茶を味わう時間は欲しい、と思う。
お茶が無いと書いて無茶。
無茶ばかりしていたら、きっと歯車が噛み合わなくなるのだ。
だから、お茶を味わう時間は思っている以上に大切な時間のひとつ。
そのようなことを思いながら目の前を流れる雲を見ていたら、
先日、ロールシャッハ・テストに触れたことを思い出したので、
今回は、ロールシャッハ・テストのお話でもと思っております。
それってなあに?そう思われた方は、のんびりとお付き合いくださいませ。
ロールシャッハ・テストとは、
深層心理を知ることができると言われているパーソナリティ検査のことです。
ドラマや映画、小説などで、紙にインクを滲ませたような図のようなものを相手に見せて、
何に見えるか、どのようなことを感じたかなどの質問をして心理鑑定を行っているシーンを
一度くらいは見たことがあるのではないでしょうか。
あれです。
簡易版のようなものは娯楽の延長線上のようなスタイルで心理テストとして
ネット上でも親しまれています。
もっと掘り下げられた形式のものや、本格的なものは、
職業適性試験や資格試験の中に組み込まれたり、
心理カウンセリングや発達相談の一環として使われることもあります。
紙にインクを垂らして二つに折りにし、
紙を広げたときにできる左右対称の図形を見て感じたことを答えるロールシャッハ・テストは、
スイスの精神医学者のロールシャッハさんによってはじめられたものです。
テストを受けた方の目には見えない性格や深層心理、潜在意識といったものを知るためのツールで、
臨床心理の現場では広く使われています。
現在では写真を何重にも重ねたような絵を見て、
一番強く見える景色、物体などから性格の一部を見るようなもの、
同じ図形が並んでいる紙を見て、そこに何が浮き上がって見えるのか、
その見えたもので性格を分類するといったものも目にします。
このように広く浸透しているもので、現在も様々な視点から研究され続けているのですが、
テストを受ける方が身を置いてきた場所の文化や生活環境などを無視して
統計データから、目には見えない性格や深層心理などを分析するのは問題があるのではないかという意見や、
正しい検査結果を導き出すにしても、
多くの知識や経験を持つ専門家が居てこそだという意見があり、
研究と同時に信憑性についての議論が続いています。
ただ、自分自身を自分で覗いてみたい好奇心から
簡易版のロールシャッハ・テストの結果を見てみると、
当たらずとも遠からず、ということが多いのも事実。
分析結果に囚われすぎず、縛られすぎず、自分を決めつけ過ぎずに、
自分の性格の傾向を覗いてみるツールとして楽しんでみては良いのではないかと思います。
ロールシャッハ・テストは映画やドラマ、小説などでも登場しますし、
ネット上にも簡単にトライできるサイトなどもあります。
そのようなシーンを目にされた際には、
今回のお話をチラリ、思い出しつつロールシャッハ・テストを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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