買い置きの入浴剤を入れている籠の中から、
今の気分に合いそうな香りのタブレットを一つ取り出した。
封を切り、それをバスタブにポンッと軽く放り入れた。
シュワシュワと音を立てながら弾ける泡と浴室内に広がる心地よい香り、
透明だったお湯には入浴剤の色が溶け広がった。
その様子を、しばらくの間、浴室の入り口から眺めていたのだけれど、
タブレットが半分ほど溶けた頃だろうか、違う……、そう思った。
始めにバスタブに溶け広がった色は淡いグリーンに見えていいたのだけれど、
本来は、爽やかな夏の海を思わせるようなブルーだったのだ。
湯気に覆われた浴室内が急に寒々しい空間に感じられて、
思わず両手を交差させるようにして自分を摩った。
水風呂でないことは分かっているというのに、脳は私たちが思っている以上に単純だ。
それならばと、籠の中からイエローカラーの表記がある入浴剤を取り出し、再度、バスタブへ放り入れた。
混ざり合ったお湯は、森林浴を想像させるような優しいグリーンに変化し、
ちょっと贅沢な、温かみを感じるバスタブが出来上がった。
物は試しと思ってタブレットを追加投入してみたけれど、
入浴剤に含まれている色素も絵の具のように掛け合わせられるようだ。
そう言えば以前、バスボム作りのワークショップに参加したことがある。
お付き合いの一環ではあったのだけれども、
五感をフルに刺激することができるモノづくりは、いいリフレッシュになった。
今、お掃除に重曹やクエン酸を使っている方多いけれど、
それらがあれば、自宅で簡単に自分好みのバスボムを作ることもできるのだ。
作り方は、下記のような流れ。
【作り方】
【1】ボウルに重曹(100g)とクエン酸(50g)と片栗粉(50g)をを入れてよく混ぜ合わせます。
【2】これに霧吹きで水をかけながら混ぜ合わせ、ぎゅっと握りしめたときに形が崩れない硬さまで水分を加えます。
霧吹きを使うのは、重曹は、水分を含むとすぐに発砲してシュワシュワと弾けはじめてしまうため、発砲を抑えるために少しずつ加えるため。片栗粉を使う理由も、この発砲をできるだけ抑え、出来上がった後も空気中の湿気を吸って発砲するのを抑えるためです。ほんの少しトロミを感じる入浴剤に仕上がりますが、慣れとお好みで減らしても構いません。
【3】湿り気が出て、形が崩れないくらいの硬さのバスボムペーストができたら、発汗作用や冷え対策に効果がある岩塩やアロマオイル、色付けをしたければ食紅などをこの段階で加えて、しっかりと混ぜ合わせます。私はピンク色をしたアンデスのお塩(紅塩)か、赤穂の塩を使うことが多いです。※岩塩の粒を混ぜ合わせるのが難しい場合は、バスボムペーストを型に入れる際に中央に包み込むように入れてもOKです。
【4】握ったときに形が崩れない状態にまで混ぜ合わせたら、製氷皿などの型に空気を抜くようなイメージでぎゅーっと詰め込み、型に淹れた状態のまま乾燥させ、乾燥したら完成です。この分量で6個~8個ほどのバスボムができます。
慣れてきたら、より保湿効果がある素材を加えたり、アロマオイルの香りに拘ったり、
お好みのドライハーブを加えて香りに深みを出すことも可能。
私の場合は、効果と香り以外の成分は取り除いても構わないという理由と、
お風呂掃除をラクにしたいという理由から、つい、
岩塩とアロマオイルの組み合わせになってしまうのだけれども……。
使いきってしまいたいアロマオイルをお持ちの方、
中途半端に残っている重曹やクエン酸を使い切ってしまいたい方、
気分転換にハンドメイドのバスボムはいかがでしょうか。
そして、バスタブ内に季節外れの夏色のブルーが広がってしまったときには、
ビタミンカラーのイエローで調整してみてくださいませ。
毎日、おつかれさま。
そして、あなたの大切な時間を使って、こちらへ足を運んでいただき、ありがとうございます。
今宵も心身ともに温まるバスタイムをお過ごしくださいませ。