私たちが口にしている野菜の多くが、
様々な時代に国外から持ち込まれたものが元になっているだと何かの本で読んだことがある。
今と比べて物流システムがゼロに等しいような時代であっても、
伝わるべきものは伝わってくるのだから、
世の中のものごとは、在って幸せ、無くて幸せなのかもしれない。
そのようなことを思いながら手に取った大きめの玉ねぎをザクザクとカットして
半分は、ほんのり甘く仕立てたお酢に漬けてピクルスに、
残りの玉ねぎはキノコとチキンを加え、チキンパイのフィリングにした。
玉ねぎの起源は諸説あるようだけれども、
栽培された玉ねぎの記録でさえも紀元前にまで遡るらしく、その起源はとても古いのだそう。
以前こちらで、ピラミッド造りが行われていた当時、
労働者たちに大量のニンニクが支給されていたことに触れたことがある。
彼らは、何らかの理由でニンニクの支給が止まってしまうとストライキを起こしていたという。
この時、玉ねぎも支給されていたというのだから、
ニンニクと同様に玉ねぎの薬効も当時から広く知られていたようだ。
私たちにとっても、玉ねぎの薬効は常識にも近いような認知度があるけれど、
今も昔も、人の興味や願いに、そう大きな違いはないということなのだと思ったりもする。
玉ねぎが日本に入ってきたのは江戸時代というから、
日本人にとってはわりと新しい野菜に分類されるけれど、
ヨーロッパでは古くから親しまれてきた野菜だけあって、
「玉ねぎ市」と呼ばれるお祭りのようなものがある。
スイスで開催されており、玉ねぎやニンニクを使ったリースや首飾り、
生の玉ねぎに楊枝を刺して作られたキャラクターグッズのようなものが売られ、
玉ねぎをふんだんに使ったキッシュのような玉ねぎパイと
ビールやワインを楽しみながら賑わうという。
私は、このお祭りを体験したことはないのだけれど、
「玉ねぎ市」へ行ったお土産だといって、
それはそれは重たい首飾りにアレンジされた玉ねぎと、
お花と玉ねぎを三つ編み状にしたもの、キャラクターグッズを頂いたことがある。
前知識が無かった私は、突然首にかけられた玉ねぎの首飾りの重みによろけ、
手渡された玉ねぎとお花のコラボレーションに「わぁ、きれい」と初めての感情を味わい、
これもどうぞと追加で手渡された妙な玉ねぎ人形へのリアクションに戸惑い、
お礼もそこそこに、これは食べても良いものなのか?と問いかけたような記憶がある。
あの大量の玉ねぎを、どう消費したのか、もう覚えてはいないけれど、
きっとあの時期の私の体内は絶好調だったに違いない。
皮が飴色に色づいた一般的な玉ねぎや新玉ねぎなどは、
血の巡りを良くしたいときや、
ダイエット、免疫力アップ、腸内環境整備、生活習慣病の予防効果が欲しいときに。
そこに、アンチエイジング効果をプラスしたい時には、
アントシアニンを豊富に含んだ赤紫色をしたレッドオニオンをサラダでどうぞ。
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