ここ数か月間の日課だった「エアコンのスイッチを押すこと」から、いつの間にか解放されていた。
ブラインドを開けて室内に取り込む朝陽も随分と暖かみを帯び、
昨日よりもまた少し、春が増したように思う。
コーヒーメーカーに、豆やフィルター、水をセットしてスイッチを押す。
豆を砕き挽く寝起きに耳にするには大きすぎる音と共に広がる香ばしい香りに、
寝ぼけまなこ状態だった細胞も強制的に起こされるような感覚がした。
背筋が伸びるようなそれを嫌いじゃないと思いながらケトルに水を入れた。
ズボラだと思いつつ、ケトルを如雨露代わりにして、観葉植物や切り花に水を注してまわった。
全ての蕾が花開いた深紅のミニバラに触れたとき、
冷蔵庫から取り出したような冷たさに思わず「えっ?」と声が漏れた。
驚きついでに切り花全体に触れてみたのだけれど茎部分よりも。葉っぱ部分よりも、
明らかに花の部分の方が冷たくなっていた。
どうしてだろうと思いながらキッチンに戻り、朝食の準備をした。
茎よりも、葉っぱよりも、花の部分の方が水分を多く含んでいるため、
深夜の部屋の温度を花びらに留めやすいのではないだろうか。
そのようなことに気が付いたのは朝食を終え、しばらくしてからのことだった。
生憎、我が家にある、花を咲かせる植物は切り花だけ。
マンション暮らしの私は、庭の草木に触れて、
その真意を他と比較して確かめてみることは出来ないのだけれど、
これからは、花と葉っぱの両方に触れてみようかしら、と思った。
もしかしたら、このようなことを思ったことを、
明日の朝には忘れてしまっているのかもしれないけれど、
思い出したときには、できるだけ、そうしてみようかと。
ちなみに赤い花をカラーセラピーやフラワーセラピー、陰陽道から見ると、
心身への強壮作用があり、血の巡りをスムースにしてくれるため、
やる気や食欲増進、自分に対する自信などをサポートしてくれると言われている。
また、バラは、体の冷えを抑えて代謝を良くし、肌細胞を活性化させることを得意としているため、
美肌のサポートにも。
フレッシュなバラの香りは女性ホルモンの分泌を促す働きもあり、
女性特有の心身のざわつきを緩和し、ハッピーな気分に誘ってくれたりもする。
深紅のバラを1輪というのも素敵なのだけれど、
深紅のバラは存在感が強すぎてトライし難いと感じる方も多いと聞きます。
そのような時には、色はそのままで、
小さな花をたくさん咲かせるミニバラをトライしてみてはいかがでしょう。
存在感と柔らかい雰囲気のバランスが良いため、
お部屋の雰囲気にも馴染みやすいかと思います。
今年の春は、自分に一輪、花を贈ってみてはいかがでしょうか。
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