久しぶりに友人から指令メールが届いた。
内容は、今年の夏頃までに、ある年に発行された各硬貨を探して欲しいとのこと。
それは構わないのだけれど、何か面白いことでもするつもり?
そのようなことを聞き返すと、ドイツ人の友人が夏に結婚するのだという。
そして、ドイツにある、硬貨にまつわる言い伝えを教えてくれた。
ドイツでは、自分が生まれた年に作られた硬貨をバースデーコインと呼んでおり、
そのバースデーコインを布や白い紙で包んでお財布にいれておいたり、
そのコインをブローチやペンダントトップ、
その他アクセサリーなどに加工して身に付けたりするのだそう。
そうすると、バースデーコインが幸運を呼び寄せるという。
バースデーコインと呼ばれるもの以外にも、
結婚した年のコインはマリッジコインと呼ばれて幸運を呼び寄せると言われ、
何か大きな成功を収めた年は、その年の硬貨をラッキーコインとして、お守りにする方もいるという。
友人は、ドイツ人の友人である新郎、新婦それぞれの生まれた年の、
日本の硬貨を結婚祝いの贈り物のひとつにしたいのだと言っていた。
そのような話ならと、硬貨探しに協力することにした。
バースデーコインの風習が日本にあるのかは定かではないのだけれど、
私の父は、私が生まれた年に発行された硬貨と紙幣をひと通り残してくれていたため、
私の手元には、その全てが残っている。
5円玉に至っては枚数が多かったこともあり、
その中の1枚は細い組紐のような紐を結び付け、長年、私のお財布の守り人と化している。
どのようなご利益があるのか、あったのかと問われれば、どうなのだろうか、と思うけれど、
このようなものは、楽しむ質なので、私にとってのご利益は「ある」し「あった」と思っておこうと決めている。
何なら、新たにバースデーコインがお財布に舞い込んだ日は、“Myご褒美Day”にしたっていいじゃないか、と思ったりもして。
皆さんも、小さな楽しみのひとつにバースデーコイン探し、いかがでしょうか。